「記事を読んだ子どもが合格しました」 受験生に響いた逆U字理論
今川綾音 (2022年3月18日付 東京新聞朝刊)
東京都内の受験生のお母さんから先日、うれしいメッセージが届きました。「すくすくの記事を読んで試験に臨んだ子どもが、無事に高校に合格しました」
その記事とは、「受験で緊張しないために 一流アスリートの思考法とテクニックを紹介します」。親子の会話のヒントになるようなスポーツの話題を紹介する連載「アディショナルタイム」の中の1本で、昨年1月に公開しました。
記事では、「大事なテストで緊張して実力を発揮できない」「焦って失敗してしまう」という受験生のために、一流のアスリートたちがどう緊張と付き合っているかを紹介しています。大リーグのダルビッシュ有投手や、柔道の五輪金メダリストで前日本男子代表監督の井上康生さんらの言葉にも触れています。
このお母さんは「うちの子は私に似て、大きな試験は必ず緊張して困っていました。それが心配で親として何かできないかと考えて読ませました」と親心を伝えてくれました。特に、スポーツ心理学における「逆U字理論」が心に響いたそうです。効率(パフォーマンス)と緊張はUの字を逆にしたグラフで表されるとし、「リラックスしすぎても、緊張しすぎても、直面する課題に集中できない。適度な緊張はむしろ良い」とする考え方です。
親子で「一流選手が緊張するんだから、僕が緊張するのは当たり前だね」「緊張するのは悪くないんだね。ちょうどいいくらいに緊張するのが一番いいんだね。でも、むつかしいね、ちょうどいいくらいに緊張するのって」と話して試験に臨んだそうです。
昨年発信した記事が今年、読者の人生の節目で力になったという事実に私たちも胸が熱くなりました。そんな記事をこれからも蓄積していきます。
コメント