静かに聴くのが苦手な子も、クリスマスに生演奏を 川崎で25日に無料コンサート

渡部穣 (2022年12月21日付 東京新聞朝刊)

子どもたち向けのクリスマスコンサートを開く「Kids Music Community」のメンバー。後列右から3人目が蛭子代表=川崎市中原区の市総合自治会館で

 落ち着いて座っていることが苦手などの障害があって生の演奏を聴く機会が少ない子どもたちと保護者にも楽しんでもらおうと、無料の「音楽の魔法コンサート MagiChristmas(マジックとクリスマスを組み合わせた造語=マジックリスマス)」が25日、川崎市中原区の市国際交流センターで開かれる。車いすでの鑑賞も可。

弦楽器に触れる体験コーナー

 「すべての子どもたちに音楽を」をコンセプトに集まった、20~60代の神奈川や東京、千葉、埼玉に住む音楽仲間たち約20人のグループ「Kids Music Community(キッズ・ミュージック・コミュニティー)」が主催する。

 曲目は、ヴェルディの歌劇「椿(つばき)姫」の「乾杯の歌」やロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」の「スイス軍の行進」、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」の「花のワルツ」など。クリスマスに合わせ「赤鼻のトナカイ」や「ジングルベル」も披露される。バイオリンやビオラ、チェロなど弦楽器に触れられる「体験コーナー」もある。

大声を上げてしまう子も歓迎

 「クラシックのコンサートは普通、静かに聴いていることが要求され、例えば大声を上げてしまう子どもたちには楽しむことができない」と蛭子明子(さやこ)代表。「私たちはそうした子どもたちにも本格的なクラシックを楽しんでもらいたいと思っています」

 第一バイオリンの藤田敬(けい)さんは「子どもたちに楽しんでもらえるよう頑張る」と笑顔。テノール歌手の三浦幸未知(ゆきみち)さんは「すばらしい音楽がいっぱい。みんなで楽しんで、たくさん感動してほしい」と話した。

 午後2時開演(30分前に開場)。問い合わせは、メール=saya-pia@cl.bb4u.ne.jp=で受け付けている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年12月21日