TEAM SHACHI 秋本帆華さん 水泳からアイドルへ いつも感じる母の愛「自慢の娘だよ。大好きだよ」

石川由佳理 (2024年3月24日付 東京新聞朝刊)

家族について語る秋本帆華さん(中森麻未撮影)

「夜勤だったら試合を見に行けるから」

 両親、3歳上の兄と4人家族です。母は看護師をしています。3交代で夜勤もしていたので、院内保育所や子育て支援の方にサポートしていただいて育ちました。兄がずっと一緒に遊んでくれたので、さみしいと思ったことはありません。母は昔から口癖みたいに「帆華を産んでよかった。いつも楽しませてくれてありがとう」って、いつも言ってくれます。その言葉と笑顔が私のパワーの源です。

 これまでの私の人生を二つに分けるとしたら、水泳期とアイドル期があって、水泳は3歳のころから13年続けました。小学2年からは週6日水泳に通い、母は送り迎えはもちろん「夜勤だったら試合を見に行けるから」と、夜勤にして練習や試合を見に来てくれました。

 転機は小学5年生。水泳でタイムが切れず、今まで出ていた県大会に出場できませんでした。すごくショックを受けてスランプになった時、ファッション雑誌を読んで「私もお洋服をいっぱい着たい」って思うようになったんです。母が「じゃあモデルさんになれるようなことチャレンジしてみる?」と言ってくれて、今の事務所に応募したんです。母は、私が水泳以外のことに興味があるんだとびっくりしたみたいです。

歌の練習したい…「じゃ、ドライブに」

 私が(TEAM SHACHIの前身となる)「チームしゃちほこ」の一員として中2でデビューしてからは、応援どころか二人三脚で一緒に歩んでくれました。それまで歌の経験がなかったので、母は「家で歌うと近所迷惑になるから」と、夜にドライブに連れて行ってくれて車の中で歌わせてくれました。これは実は今でも続いています。「歌の練習したいんだけど」って私が言ったら、「じゃ、ドライブ行こっか」って。母も楽しんでくれてるのかな。

 アイドル活動を続けながら、東京の大学に進学しました。1人暮らしはすごく寂しくて。初めての仕送りが届いて段ボールを開けたら、「いっぱい食べるんだよ」って母からのメッセージが書いてありました。写真を撮って、今でもとってあります。さみしさを紛らわすために笑おうと、ギャグ漫画ばかり読んでいました。母からもらうお年玉のポチ袋にもメッセージが書いてあるんですよ。「自慢の娘だよ」「大好きだよ」って。

 アイドルを始めてもう12年ですが、母は今でも変わらず名古屋のイベントやライブは絶対に見に来てくれます。大阪から東京までの間なら車を走らせて見に来てくれるんですよ。こんなに長くやっているのに、ずっと同じ熱量で応援してくれています。「この曲良かった」とか私以外のメンバーの「髪形も良かった」とか。見終わった後に感想をもらえるのもうれしいです。愛をずっと感じてきました。ずっと仲良しでいたいです。

秋本帆華(あきもと・ほのか)

 1997年、愛知県生まれ。芸能事務所スターダストプロモーションの「ももいろクローバーZ」の妹分で、全員が愛知県出身の「チームしゃちほこ」のセンターとして2012年にデビュー。18年に「TEAM SHACHI」に改名した。8月10、11日に埼玉県の東武動物公園HOLA!でライブ「SHACHI SUMMER 2024」を開催予定。

コメント

  • すごく感動しました!素敵な記事です。(T_T) 秋本さんがとても親御さんに愛されて育ったのがすごく伝わります。。僕もTEAMSHACHIの皆さんのファンの1人として少しでも彼女達が喜んでもらえるよう。
    こーちん 男性 40代