タレント 副島淳さん 顔も知らない父を探したら…あこがれの人が兄だと判明し号泣
コンプレックスだった肌や髪
父はアメリカ人、母は日本人です。父とは会った記憶がなく、顔も知らずに育ちました。母は、物おじしない、どっしりとした人。昔から、お互い干渉しすぎない、ほどよい距離感。ただ、一方的にぶつかった時期もありました。
小学4年生のときに転校した先で、身体的な外見の違いから、いじめを受けるようになりました。そのときは、母に「父親はどこにいるんだ」「おまえじゃ話にならない」とぶつかりました。自分の中では、母も自分をいじめている子たちと同じ肌の色。敵というか、憎んでいました。
母は怒るわけでも、寄り添ってくれるわけでもなかった。コンプレックスだった肌の色や髪形について、「いつか役に立つよ。感謝するときが絶対来るから」と言ってました。そんな母を、当時は「全然分かってくれない」と拒絶してました。
今となっては、この見た目があるからこそ、芸能の仕事に生かせている部分もある。母は将来を予知していたわけではないと思いますが、すごいなと思います。改まって連絡はしないですけど、母の接し方や言葉、そもそも父がいない中でも1人で産んで育てる決心をしてくれたことに、今は感謝しています。
テレビ番組の企画でDNA鑑定
父との出会いや、どんな人だったかについて、母と話すことはありませんでした。母に気を使っているわけではなく、一緒に暮らしたことがなかったので、感情が父に向くことがなかったですね。
でも、2020年6月にテレビ番組の企画で、父親を初めて知りました。かつて日本の特撮番組などに出ていた俳優らしく、すでに他界しているということでした。
調べる段階でつながったのが、バスケットボールの元日本代表選手の高橋マイケルさん。中学からバスケに熱中していた自分にとって、あこがれの選手で、中学時代にはマイケルさんの出場する大きな大会の前座の試合に出たこともあった。そんなマイケルさんが異母兄らしいと分かったんです。びっくりしました。子どもの頃、数年だけ父と暮らしていたそうです。
正直、その企画は最初、タレントとして番組が盛り上がればいいか、と受けました。でも、実際に番組内でDNA鑑定書の封を開けて、マイケルさんと自分が同じ父親だと確定したときに、号泣してしまったんですよね。自分でも理由は言語化できません。マイケルさんの話を聞いて、自分も父と暮らしてみたかった、遊んでもらいたかったという感情が湧いたんですかね。父を知らないままなら、そういう感情も出ないですけど、知ってしまった以上は人間なので、思い出を作りたかったと思いますね。でも、父は芸能、兄はバスケ。図らずも自分は影響を受けていた。自分のルーツを知ることができて良かったと思っています。
副島淳(そえじま・じゅん)
1984年、東京都生まれ。高校時代、バスケットボールで全国高校総体に出場。東京成徳大卒業後、俳優、タレントとして活動を始める。2017年からNHK「あさイチ」リポーター。TBS系「ひるおび」、「日立 世界ふしぎ発見!」などテレビ出演や、ラジオ、講演会など幅広く活動している。
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