のびのびできる児童相談所 江戸川区で4月開所 リビング広々、珍しい1人用浴室「全国視察し、いいとこ取り」
加藤健太 (2020年3月18日付 東京新聞朝刊)
4月1日に開所する江戸川区児童相談所(中央3)の内覧会が17日にあり、施設内が報道陣に公開された。虐待の疑いがある子どもを緊急的に保護する「一時保護所」も施設内に整備され、1人用の浴室を設けるなど時代に即した機能が目立った。
1人用ユニットバス 虐待痕を気にする子らに配慮
江戸川区によると、各地の一時保護所では、広めの風呂に順番で入ったり一緒に入ったりするケースが多い。だが、虐待による傷痕を気にする子や性的少数者(LGBT)の気持ちに配慮して、全国でも珍しい1人用のユニットバスを設けた。
定員35人の生活スペースは、6畳ほどの個室を多めに設ける一方で、食堂とリビングが一体化した広めの空間も確保。廊下を挟んで居室が並ぶ配列が主流の中、日中にのびのびと過ごせる共有スペースを設けた。
開設に携わった松尾広澄・子ども家庭部長は「全国の施設を見て回って『いいな』と思った機能を集約した」と胸を張る。
相性は「はあとポート」 児童福祉司42人配置
児童福祉法の改正で区も児相が開設できるようになり、区役所近くの都有地に1月に完成した。地上4階建てで、延べ床面積は約4500平方メートル。愛称は区民に公募した結果、「はあとポート」に決まった。42人の児童福祉司が子どもや保護者の相談に乗り、問題の解決を手助けする。
区では、2010年に小学1年の男児が虐待死する事件が起きている。区は行政の連携不足を反省し、現行の都営ではなく、情報を集約しやすくなる区営の児相が必要と判断。4月1日に世田谷、荒川両区とともに23区で初めて開所する。