世田谷区立の児童相談所オープン 虐待相談は7年で倍以上 対応一元化で防止に期待
岩岡千景 (2020年4月2日付 東京新聞朝刊)
世田谷区立児童相談所が4月1日、同区松原に開設された。区立総合福祉センター跡地の3階建ての複合施設に、保育園などが入った「子育てステーション梅丘」とともに設けられた。
法改正で区も設置可能に 江戸川と同時開所
東京都内の児童相談所は都が設置・運営してきたが、2016年の児童福祉法の改正で特別区も独自に設置できることになり、江戸川区と同時に設置した。
虐待や健康管理のほか、知的障害や非行、不登校など、18歳未満の子どもに関する本人や学校、地域住民らの相談に、児童福祉司や医師、弁護士らの専門スタッフが対応する。
24時間対応の児童虐待通告ダイヤルも開設
世田谷区の児童虐待相談の対応件数は、2011年度は1234件だが、2018年度は2763件。7年で倍以上に増えた。対応は、これまで都の児相と区の子ども家庭支援センターが担っていたが、今後は区が一元的に担うことで、地域で連携した虐待防止が期待される。
また、児相設置に伴い、里親に関する手続きや小児慢性疾患の医療給付などの業務も都から区へ移管された。
区は、新たな児童虐待通告ダイヤル=0120(52)8343=も1日から開設。24時間対応で電話を受け付ける。