子どもの貧困、ヤングケアラー…助け合いのペダルをこいで 足立区の24団体が地域ネット、Webで情報発信
木原育子 (2020年5月21日付 東京新聞朝刊)
東京都足立区の子どもや子どもを持つ世帯などに向けて、助け合いの輪をつなぐ地域ネットワーク「Adachi(足立)ちゃりネット」が始動した。足立区で活動する市民団体などが協力し、最新の地域の情報や取り組みを行政に頼らず、ホームページで発信する。新型コロナウイルスの感染拡大で暮らしの環境が変わり始める中、生活に根差した情報サイトに注目が集まりそうだ。
代表「PRではなく、すぐ使えてホッとできる情報提供を」
足立区内で主に福祉分野で活動する市民団体など約24団体で発足した。それぞれの活動を通じてみえた困り事や、緊急性の高い声や連絡を共有し、地域で解決していくことを目指す。自転車(ちゃり)で移動するように、軽快に自由にどこへでも自身でペダルをこいでいけるように、との願いで命名した。
ホームページには、必要な家庭に無料で食料を届けるフードバンクや子ども食堂の情報、休校中の学習支援などを掲載する。生活に根差した情報がたくさん盛り込まれている。
社会問題になっている18歳未満の子どもが家族の介護を担う「ヤングケアラー」や、中途養育者向けの「ステップファミリー」に関する団体の情報も載せた。地域の弁護士の法律相談も今後進めていく考えだ。
17日には、就労や若者支援、子育て関連の市民団体に加え、母子生活支援施設の関係者ら約20人がビデオ会議アプリ「Zoom」を使って設立総会を開催し、今後の取り組みなどを2時間にわたって議論した。参加した「あだち子ども支援ネット」代表の大山光子さんは「団体のPRではなく、日常生活にすぐに使える、ほっとできる情報を流していきたい」と話した。