新電力の契約で子ども食堂を応援できます 新座市の「オハナ」が作った新しい寄付の形
料金の一部が食材費や会場費に
「オハナあしなが電気プロジェクト」と題して取り組むのは、昨年8月から新座市で子ども食堂を毎月開く「オハナ合同会社」。電力の小売り全面自由化を受けて参入した「Looop」(ループ、東京)と、電気小売りに関する仲介販売事業者契約を結んでいる。
オハナを通してループに電気契約を申し込むと、毎月の電気料金の数%が仲介手数料としてオハナに入る仕組み。それが全額、食材費や会場費など食堂の運営に充てられる。ループのホームページから手続きし、「紹介者」の欄に専用コードを入力すれば、オハナが仲介したとみなされる。
「当初は全て持ち出しを想定していたが、助成金にも頼っているのが現状。楽しみにしている子がいるのに、資金不足という大人の事情で閉鎖はできない」と代表の佐野浩子さん(34)。子ども食堂を地域に根付かせるため、活動資金をどう安定的に調達するか頭を悩ませてきた。
取り組みやすく、継続しやすい
そこで浮かんだのが、電気の仲介販売を活用すること。「電気なら法人も個人もみんなが使う。誰も損することなく子どもたちを支援でき、新しい寄付の形になるのではないか」。そんな思いで3月からプロジェクトをスタートした。
契約実績はまだ少ないが、共感してくれる仲間もいる。朝霞市で子ども食堂を開く坪田大仁さん(42)は4月中旬、電気契約をループに切り替えた。「当たり前に払う電気料金からの寄付なら、財布からお金を出すより取り組みやすく、継続もしやすい」と話す。
佐野さんは今、坪田さんら近隣で子どもの居場所作りに取り組む10団体でネットワークを立ち上げ、食材の融通などで連携を強めている。電気プロジェクトが軌道に乗れば、その資金をオハナ以外の団体の援助にも回していくつもりだ。
問い合わせは、オハナ合同会社=電話090(4689)2933=で受け付けている。