小児病棟に中高生対象の「思春期ルーム」を 群馬大病院がクラウドファンディング
羽物一隆 (2023年2月7日付 東京新聞朝刊)
群馬大医学部付属病院(前橋市)は、小児科病棟に入院する中高生のために「思春期ルーム」を整備する計画を発表した。800万円を目標にクラウドファンディングで資金を募り、6日午後8時現在で残り16万円ほど。病床で過ごす時間が多くなりがちな中高生に「ベッドを離れて友達と過ごす場所は、精神的な成長のためにも必要となる」とし、2023年度中の開設を目指す。
プレイルームは幼少児向け
小児病棟には絵本やテレビを備えたプレイルームがあるが、幼少児向けで10代に適した場所がない。同病棟に昨年入院したのは延べ509人で、うち12歳以上は約270人。6~7割は2~3カ月以上の入院生活を送るが、入院する中高生は、ベッドをカーテンで仕切って一人で過ごしていることが多いという。
一方、思春期にはさまざまな悩みを抱えており、友達と過ごしたり、病院らしくない場所でくつろいだりすることが必要とされる。思春期ルームはこうした居場所となるが、国内では茨城県立こども病院や島根大医学部付属病院など、数カ所しか整備されていない。
テレビや漫画も 憩いの場
群大病院では、4人部屋の病室約35平方メートルを改装して整備する計画。ソファやダイニングテーブルなどを置き、テレビや漫画、ボードゲームなどを備えて交流や憩いの場とする。
県庁で計画を発表した滝沢琢己・群馬大大学院教授は「子どもたちに多くの人から応援されていると感じてほしいと思い、クラウドファンディングで挑戦することにした」と話し、協力を呼びかけた。
寄付は3月31日まで受け付ける。目標額を超えても募集を続け、家具や備品の充実に役立てるという。