子どもの夜更かしは肥満・情緒不安定・身長が伸びにくくなるリスク 3つの工夫で早寝習慣を

河野紀子 (2022年1月14日付 東京新聞朝刊)

図解 早く寝かせるための主な工夫 お風呂は夕食前、寝る前は強い光の刺激を避ける、昼寝をしすぎない

 「寝る子は育つ」といわれるように、心身の発達に欠かせない睡眠。しかし、年末年始、年が明けてからの3連休と、夜更かしの癖がついて睡眠のリズムが乱れてしまった子もいるだろう。幼児期から早く寝る習慣をつけるにはどうしたらいいか、専門家に聞いた。

6歳以下の子は、できるだけ夜9時までに

 「発達段階の子にとって十分な睡眠を取ることは大人以上に大切。6歳以下の幼児は、できるだけ夜9時までに寝てほしい」。医療相談サービス「小児科オンライン」相談員で、順天堂大付属順天堂医院小児科・思春期科(東京)の新居(にい)麻貴さん(37)は言う。

 日本小児保健協会は1980年から2010年まで、10年ごとに幼児期の睡眠習慣に関する調査を実施した。2010年の結果によると、就寝が午後10時以降の子の割合は1歳児で27.6%、2歳児35.3%、3歳児31.4%、4歳児26.4%、5~6歳児25%と3割前後。4~6割だった2000年よりは改善しているが、新居さんは「それでも多い」と警鐘を鳴らす。

グラフ 子どもの年齢別、午後10時以降に寝る割合

 遅く寝ることの何が問題なのか。一つには、朝早く起きられずに1日のサイクルが乱れてしまうことがある。無理に起こすと眠くて日中に活動が低下したり、朝食を食べることができずに昼・夜の食事量、間食が増えて肥満につながったりする。情緒不安定、睡眠障害のリスクが高まるという報告もある。

 もう一つは、睡眠中に分泌される成長ホルモンへの影響だ。就寝が遅いと睡眠時間も短くなりがちで、身長が伸びにくくなると懸念される。欧米やアジアなど17カ国・地域の3歳児以下を対象にした10年発表の論文によると、日本は昼寝を含む1日の総睡眠時間が11.6時間。17カ国中最下位だった。

お風呂、テレビ、昼寝の時間を見直そう

 子どもが早く眠りにつくこつとして新居さんが挙げるのは、眠気を誘う環境づくりだ。体温が高いと寝つきにくいため、夕食前にお風呂を済ませ、眠るころには体温が下がるようにするなどの工夫が必要。特に大切なのが、眠気を誘うホルモン、メラトニンの分泌を妨げる明るい照明や液晶画面といった強い光の刺激を避けることだ。

 子どもの目は、大人よりも光の刺激を受けやすい。「メラトニンは寝る1~3時間前に分泌される。テレビやスマートフォン、タブレット端末の使用は、少なくとも寝る1時間前には控えた方がいい」と新居さん。照明は明るさを細かく調整できるものがいい。

 もう一つは昼寝だ。長すぎると、夜寝つきにくくなる。2017年に改定された国の保育所保育指針は、乳幼児に推奨していた昼寝の方針を転換。3歳を過ぎると昼寝を必要としない子もいるとして、昼寝をする、昼寝をせずに遊ぶなど、子どもの状態に応じて対応できる環境や体制を整えるよう求めた。

 新居さんによると、短い昼寝、または昼寝をしなくても日中に機嫌良く過ごせているなら、夜はその分早く寝かせるのも手という。一律に昼寝の時間がある保育園に通っている場合は、子どもの様子を見ながら園と相談するのもいい。「仕事に家事、育児と多忙だと思うが、親子でほんの少し生活を見直してみてはどうか」と呼び掛ける。

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