歯ぎしり、心配しすぎなくても大丈夫 健康な子も睡眠周期と連動 大阪大研究チームが発見

(2021年8月1日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

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 「ギリギリギリ」と音を立てて、寝ている間に上と下の歯をこすり合わせたり、かみしめたりする「歯ぎしり」。これまで原因は、発達障害やストレスなどと考えられてきました。しかし、健康な子どもの歯ぎしりは睡眠の周期に合わせて繰り返し増減することを、大阪大の研究チームが発見し、米科学誌「スリープ」で発表しました。

20%の子どもで起こる歯ぎしり

 子どもの歯ぎしりは、約20%の子どもで起こるといいます。親が不安を感じて歯科医師に相談することが少なくありません。歯ぎしりがひどくなると、乳歯がすり減ったり、あごが痛くなったりします。しかし、そのメカニズムは不明で、異常な歯ぎしりの診断方法や治療方法がないのが現状です。正常な睡眠の子どもで歯ぎしりがどんな状態で起こるか、研究チームは調べました。

 明らかな睡眠の病気がなく、発達にも問題がない6~15歳のボランティアの子ども44人に、睡眠検査として広く認められている「ポリソムノグラフィー検査」を行いました。身体に電極やセンサーを装着し、睡眠中の脳や心臓、呼吸、あごの筋肉の活動を記録する検査です。専用の実験室で寝てもらい一晩かけて検査するのですが、ボランティアを集めるのに苦労して6年ほどかかったそうです。

ノンレム睡眠が浅くなる間に頻繁に起きる

 睡眠には、眼球が素早く動き脳波が起きている時と似た状態になる「レム睡眠」と、そうでない「ノンレム睡眠」があります。睡眠の状態は周期的に変わります。眠り始めの浅いノンレム睡眠がいったん深くなり、また浅くなってレム睡眠に移るのです。そしてまた浅いノンレム睡眠に戻ります。これを60~120分、一晩で4~5回繰り返します。

 研究では、44人中15人で歯ぎしりが確認されました。しかも、歯ぎしりは、レム睡眠に向けノンレム睡眠が浅くなる間に最も頻繁に起こっていたのです。さらに歯ぎしりの9割では、一時的に目を覚ましたり体を動かしたりしていました。

 研究チームは、健康な子どもの歯ぎしりは、睡眠周期に伴い、脳が一時的に活性化すると、あごの運動を司(つかさど)る神経が過剰に反応して生じる可能性があると考えています。発達障害やストレスがなくても歯ぎしりは起こり、さまざまなタイプがあるとみています。チームの加藤隆史教授(口腔(こうくう)生理学)は「成長半ばの子どもの歯ぎしりは、食べ物をかみ砕く能力の発達と関係しているかもしれない。さらに脳内の歯ぎしりの仕組みを解明することで、診断方法の開発に寄与したい」と話します。 

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