北浦和に「さんかくカフェ」オープン 三角形の土地に三角屋根、いろんな人が「参画」して地域のつながりを
出田阿生 (2024年10月3日付 東京新聞朝刊)
お年寄りや子連れ、障害がある人、誰でも大歓迎。おいしいピザやソフトクリームを食べながら、地域のつながりが生まれる場所に-。そんな思いで、さいたま市の福祉施設が手がけた「さんかくカフェ」が、同市浦和区領家にオープンした。三角形の土地に、三角屋根のユニークな建物。いろいろな人が「参画」してくれますように、との願いが込められている。
地域の見守り、防災の観点で発想
開所式が9月24日に開かれ、大勢の近隣住民らが参加して祝った。市内で障害者と高齢者の支援サービス事業をしている「福祉ネットワークさくら」代表の横山由紀子さん(57)が約10年前から構想を練ってきた。認知症の人をどう見守るか。障害がある人が地域で暮らすには。どう防災に取り組むか-。福祉の仕事に長年携わる中で、こうした課題の解決には、まず地域の住民同士が人間関係をつくることが大事だと感じたからだ。
看板メニューはナポリ風ピザ。世界大会で受賞経験がある東京都内のシェフの指導を受け、「さくら」の利用者らが生地を手作りしている。長野県の「すずらん牛乳」を使ったソフトクリームやフロートは、濃厚な風味が自慢だ。上尾市で視覚障害者らが焙煎(ばいせん)する豆を使ったコーヒーもある。
スロープ トイレ誰でも使いやすく
入り口にはスロープをつけ、ベビーカーの赤ちゃん連れや障害者が利用しやすいトイレを設置した。スタッフには障害者や高齢者もいる。カフェを会場に、専門家を招いて福祉セミナーを定期的に開催する予定だ。次世代を育むプロジェクトとして、5枚1口(1000円)の「恩おくり券」を大人に購入してもらい、そのお金で小学生以下の子どもたちがキッズソフトクリーム(200円)を無料で食べられるようにする企画もスタートさせた。
JR北浦和駅東口からバスか徒歩で。午前11時~午後4時半。日曜・祝日休み。問い合わせは、福祉ネットワークさくら=電048(831)1079=で受け付けている。