抱っこや授乳、おむつ替え…前かがみになりやすい体をほぐそう! インストラクターに「バギーエクササイズ」を教わりました
佐久間博康 (2019年6月4日付 東京新聞朝刊)
子どもの出産後、育児や家事の忙しさで運動不足に悩む母親は多い。そんな人は、ベビーカーを使って気軽に取り組めると注目されている「バギーエクササイズ」をやってみては。普及に取り組む日本母子健康運動協会理事でフィットネスインストラクターの杉山和代さん(62)=静岡県御殿場市印野=に教えてもらった。
産後のストレス解消や筋力の向上に効果
バギーエクササイズは、同協会の大塚ひとみ代表理事が10年ほど前に考案。米国から日本に入ってきたランニング専用のベビーカーを使う「バギーラン」に、ストレッチの要素を採り入れる形でアレンジした。
バギーエクササイズには産後の体力回復やストレス解消、筋力や柔軟性の向上の効果がある。子育てでは抱っこや授乳、おむつ替えをはじめ前傾姿勢になることが多く、猫背になって肩こりや腰痛を発症しがちだが、これらの症状の改善にも役立つ。
ベビーカー押す際も、背筋伸ばして下腹部に力を
杉山さんは「正しい姿勢が大事です」と注意点を説く。ベビーカーを押して歩く際は、手首が真っすぐになるようハンドルに手を置き、背筋を伸ばして軽く胸を張る。目線は少し前を意識して歩き、下腹部に力を入れる。
ストレッチで、体の側面と脚を伸ばす際のポイントを聞いた。体の側面を伸ばす時は、ベビーカーに対して横向きに立ち、ベビーカーに近い方の手でハンドルを握った後、握っていない方の腕を空に向かって高く上げる。
杉山さん「体が元気になると、気持ちも前向きに」
脚を伸ばす時は、前に出した足のつま先を地面から離し、膝を真っすぐにすると、ももの裏側がよく伸びる。また、左右の足を前後に大きく開き、前に出した脚の膝を曲げると、後ろ脚のももの前側や股関節で効果を実感できる。「意識を変えるだけで効果が違ってきますよ」
杉山さんは県東部の子育てイベントなどでバギーエクササイズを指導している。参加者からは「久しぶりに体を動かせて気持ち良かった」「肩こりがすっきりして体が楽になった」といった感想が多く聞かれるといい、「体が元気になると、気持ちも前向きになれます。親子で外に出たり、友人をつくったりするきっかけにしてほしい」と語りかける。