新入社員のように、少しずつママになろう 初めての育児にオーダーメイド対応「ベビー用品コンシェルジュ」

飯田樹与 (2019年11月25日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 ホテルの宿泊客やマンションの入居者の相談や要望に応えるスタッフ「コンシェルジュ」。さいたま市南区の白石佳子さん(58)は「ベビーグッズコンシェルジュ」を名乗り、一人一人悩みが異なる母親に合わせたグッズを提案。「生まれたばかりの赤ちゃんと、初めての育児に戸惑う新米ママをサポートしたい」との思いから、ベビー用品を通した子育て支援に取り組んでいる。

「バルーンオール」を着る赤ちゃん。簡単に着替えさせられる(白石さん提供)

着替えラクラク30秒 ベビー服「バルーンオール」を開発

 そんなグッズの一つが、全身を包むつなぎ服のような「カバーオール」と、ふくらみのあるズボン「バルーンパンツ」を組み合わせて一つにした新たなベビー服「バルーンオール」だ。綿100%の素材で、触るとフンワリ、肌に優しい。生後3カ月ごろまでの赤ちゃんは、おむつ替えなどで日に20回ほど脱ぎ着するため、世話をする側は大変。30秒で簡単に着替えさせられるようにと、独自開発したという。

 ひもやホックが多いと煩わしいため、留めるのは2カ所のホックだけ。背中の部分がつながっているので、バルーンパンツ部分のゴムを伸ばし、お尻と足をスポンと入れれば完了。「お着替えを楽にすることでストレスを減らし、子育てにも自信を持ってもらえたら」と思いを語る。

メーカーなど20年の経験を生かし、ネットサイト立ち上げ

 メーカーでの商品企画、カタログ会社でのバイヤーと、約20年にわたりベビー用品に携わってきた。自社の商品をPRするメーカー、スポンサーを気にしがちなメディアの立場を離れ、自身の子育て経験も踏まえて自信を持って薦められるベビー用品を紹介したいと独立し、インターネットサイト「ベビニティーズ」を立ち上げた。

「最適なベビー用品を正しく使ってハッピーになってほしい」と話す白石さん=さいたま市で

 活動の背景には、実店舗で商品を確認せずにネットで購入する母親が増えてきたこと、口コミや先輩ママの感想に頼りがちなことがある。例えば、ベビーベッドの必要性。日中は一人で育児をする環境であれば、料理や掃除で赤ちゃんから目を離さざるを得ないため、ベッドの使用を薦めるという。子育てをサポートしてくれるベビー用品だが、誤って使うと事故に遭う恐れもあるため、ネットでの発信だけでなく、正しい使用方法を直接伝えるイベントも開いている。

「育児環境はみんな違う。最適な物を使えばハッピーに」

 「会社員が経験を積んで一人前になるように、少しずつお母さんになっていくもの」。児童虐待のニュースに接するにつけ、孤独に育児をする母親の姿を思い浮かべる。最近では、叱り方や接し方を紹介するイベントを仲間と企画するなど、活動の幅を広げている。

 「育児環境はみんな違う。ベビー用品は赤ちゃんとママの2人をつなぐ物。最適な物を正しく使い、みんながハッピーになってほしいですね」

白石佳子(しらいし・よしこ)

 茨城県結城市出身。小学校教師を経て、ベビー用品メーカーに商品企画担当として15年間勤務。手掛けた抱っこひもは、業界で初めてグッドデザイン賞金賞を受賞した。その後、ベビー用品カタログ会社に転職。さまざまな立場からベビー用品に携わった経験や、自身の子育て体験を生かして2014年に「ベビニティーズ」を立ち上げた。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年11月25日

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