小さく生まれた子どもの成長に理解を 低出生体重児の親たちが写真展 11月17日は世界早産児デー
既存の母子手帳 「いいえ」に心が痛む
penaは坂上彩代表=平塚市=を中心に昨年7月に設立し、現在は40人で構成する。
坂上さんは、2018年5月に妊娠24週目で長女を体重370グラムで産み、長女は4カ月入院した。既存の母子手帳は、成長曲線が体重1キロから記載され、成長記録も「はい」か「いいえ」に丸印をつけることが多い。坂上さんによると、低出生体重児を記録するには適さない内容が多く、「『いいえ』に丸を付けることばかりで、心が痛んだ」と話す。
penaは昨年10月、黒岩祐治知事に会い、低出生体重児の成長を記録できる手帳「リトルベビーハンドブック」の作成を要望。成長曲線はゼログラムを起点とし、成長記録も二択ではなく、その日にできたことを書き込むスペースと先輩ママからのメッセージなどがあり、全国的に導入例が出ている。
神奈川県は作成に向けた検討会を設置し、penaも議論に加わって来年初旬の完成と、市町村や病院への配布を目指している。
11月12・13日に「あーすぷらざ」で
低出生体重児の親は「小さく産んでごめんねという気持ち」(坂上さん)を抱え、他人の言葉に傷ついたり考え込んだりすることがあるといい、理解を深めてもらおうと写真展を企画した。テーマは「いろんな子と、いろんなこと」。penaのメンバーや外部から募集した子どもの出生時と現在の写真や動画に加え、370グラムの赤ちゃんの身長と体重を再現したクマのぬいぐるみ、新生児集中治療室(NICU)の紹介コーナーなどがある。
坂上さんは「頑張っている子どもがいることを伝えたい。知ってもらえば、会話が優しくなる」と話す。
展示は神奈川県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)2階展示ホールで午前9時~午後5時(13日は午後4時まで)。展示作品の一部は、15日~12月29日に三井住友信託銀行 横浜駅西口支店・横浜支店(横浜市西区)でも展示する。
また、神奈川県庁本庁舎は17~20日、世界早産児デーのテーマカラーである紫色にライトアップをする。