同性カップルにも子どものいる未来を 支援団体がオンライン署名、きょう締め切り
奥野斐 (2023年11月10日付 東京新聞朝刊)
第三者の精子や卵子を使う生殖補助医療のルールの新法制定に向け、法律婚の夫婦以外も対象にするよう求めるオンライン署名を、子育て中の同性カップルらを支援する団体が始めた。超党派の議員連盟が来年の通常国会に向けてまとめた新法の骨子案は事実婚や同性カップルを対象から除いており、見直しを訴える。
生殖補助医療新法「法律婚以外も対象に」
一般社団法人「こどまっぷ」(東京)代表理事の長村さと子さんが署名専用サイト「Change.org」で始めた。「子どものいる未来を持つチャンスをください」と掲げ、新法の対象を「出産を望む全ての人」に拡大するよう求めている。署名は11月14日午後11時に締め切り、その後、超党派の議員連盟や各党に提出する。
同性カップルの女性らが知人や精子バンクの提供精子を利用して子を持つケースは少なくない。長村さんは「病院で治療を受ける選択肢が禁止されれば、当事者は安全で適切な医療を国内で受けられなくなる可能性が高い」と懸念する。
同性カップルらの妊娠・出産を巡っては、医療機関が妊婦健診や分娩(ぶんべん)を拒否する事例があるとして、「こどまっぷ」などが婚姻の有無や妊娠方法にかかわらず、産科医療を適切に受けられる体制の整備を求める要望書を7日にこども家庭庁に提出。こども家庭庁などが是正を図る通知を出す方針だ。