〈坂本美雨さんの子育て日記〉37・ママは知ってるよ、あなたの優しい心 もっと素直に出せたら…

(2020年1月24日付 東京新聞朝刊)

4歳の娘に甘えさせてもらうかあちゃんです

心がぐっと成長 ますます見つめたい

 心の成長がぐっと進み、複雑化したなぁと実感のあるこの頃。もともと気の短いわたしにとっては試練の時でもあり、気が沈むことも多々あり…とネガティブな書き出しになったけれど、これはますますじっくりと見つめていくぞと、ふつふつと闘志のようなものも湧いてくる。血を分けているとはいえ、違う人間と知り合っていく過程。人付き合いの醍醐味(だいごみ)ともいえる。


〈前回はこちら〉「ママのほうがじょうず」のひと言で火がついた そんなことない!


 本当に信頼している人とぶつかり合うことは、しんどく、心が砕け、苦しい。でも少しだけ俯瞰(ふかん)できる瞬間には、自分では想像もつかなかった心の動きが解き明かされ、人と知り合っていくのはなんて面白く豊かなんだろうとハッとする自分がいる。心の内を見せてくれる相手への感謝と愛が深まっていく。ただ、それが自分の子どもの場合違うのは、納得できない部分に面した時、それが「自分のせいでそうなったかもしれない」という重みで気持ちの折り合いがつかないところだ。

「ツン」が先に飛び出してしまうのは

 娘はとても繊細なセンサーで周りの人の気持ちや空気を読みとることのできる人だし、だから人に優しくすることもできる。夜、二人きりの時に私の顔が曇っていれば、どうしたの?と柔らかくなでてくれ、涙が出てしまう。

 にもかかわらず、外に出ればまれにみるツンデレである。ツン、が先に飛び出てしまうのは、照れのせいなのだと思う。照れとはつまり、自意識のかたまり。思いやりを表している自分が恥ずかしいから、反対のことを強く言ってしまったり攻撃的な態度に出てしまう。好きな子をついいじめてしまう小学生男子を思うと、みんな多かれ少なかれあるよね、と思えるのだけれど、うちの娘はそれが激しい気がしてしまうのだ。

強い言葉で誤解され、傷つかないように

 彼女を観察していると、そのせいで彼女の心根の良さや繊細さが人に伝わっていないことが多く、ここ数カ月私はそれが気がかりでたまらない。強い言葉によって誤解され、彼女自身が傷つくことになる気がするのだ。気持ちと言動にズレが生じるのは健康的ではないと思う。言動というのは癖になって自分に染み付いていくものだから、どうかこれが癖にならないようにと願い、うまく素直に気持ちを出せる方向へ導ければと思っているのだけれど、ついつい「なんでそんな言い方するの?」などと、表面的な注意の仕方になってしまって、真意が伝わらない。本当に感じていることをそのまま出すのは恥ずかしいことじゃないよ、とゆっくり伝えていきたい。(ミュージシャン)