〈中倉彰子さんの子育て日記〉65・末っ子のシンルール
末っ子のシンが今月、誕生日を迎え、8歳になりました。
おじに新しい自転車を買ってもらい、大喜び。鍵を握りしめて寝るほど。「そんなことをすると鍵がなくなっちゃうよ」という家族の声も聞かず、肌身離さず持っています。
ニンジンぶら下げ方式
テレビゲームも大好きです。わが家には「シンルール」というものがあり、テレビゲームをするには、翌日の学校の準備、宿題、夕ご飯、お風呂、歯磨きまで、すべてやらなくてはなりません。
早く終われば、その分ゲームの時間も長くなります(最長で1時間)。きちんと守れているかはお姉ちゃんたちがチェックします。
夕ご飯を食べてから、やるべきことをダーッとこなすシン。ゲームをやりたい一心です。見事クリアすると(これもゲームのようですね)、まるで仕事が終わった後のビール(?)を飲むように至福の笑顔。というわけで、わが家の中で、一番規則正しい生活をしているのがシンなのです(ゲームを除いて)。
これは、いわゆる「ニンジンぶら下げ」方式。果たして良いのでしょうか。
一時期、カードゲームがテレビゲームに取って代わった時期がありました。「テレビゲームをやらなくなってうれしい!」と思ったのもつかの間、「やるべきこと」へのやる気がすっかりうせてしまったシン。いつもの宿題や学校の準備に取り掛かる腰が重いこと重いこと。「早くやりなさーい!」という子育てNGワードも連発です。
ゲーム熱 将棋熱
ご褒美のニンジンが効果を発揮しなくなってしまった例ですね。幸い(?)、またテレビゲームに気持ちが戻ってきて、規則正しい生活に戻りました。ゲーム熱が下がる前に、やるべきことが習慣になると良いのですが。
将棋への熱は以前ほどではなくなりましたが、先日少人数の大会に参加し、友達と楽しそうに話していました。ゲーム、サッカー、将棋が好きなシンの弱点は「女の子」。お姉ちゃんたちに「シン好きな子いるの?」と聞かれると、すぐ真っ赤になり「いないよ。いないにきまってるじゃん!」と怒って早口になります。単純でかわいいですね。今のところは「女で好きなのはママだよ!」と言ってくれますが、気に入らないことがあると「世界一きらい!」。素直さを忘れず、スクスクと育っていってほしいです。 (プロ棋士)