〈奥山佳恵さんの子育て日記〉11・巣ごもりストレスで爆発 そのときダウン症の次男が…
長男は「勉強しません宣言」続行中
突然の休校措置が出されたころはまだ、一時的なものだと楽観していたところがありました。ところが日を追うごとに事態は良くない方向へ広がり、緊急事態宣言に。一時的だと思っていたものは「始まり」にすぎませんでした。
ただ、わが家の男子2人はともに「家の中にずっといられる」タイプだったことは助かりました。前回も触れましたが、高校3年生の長男は、登校しなくていい状況に引き続き大喜び。新しい教科書を入手し、学校からは課題も配布されたというのに…。
〈前回はこちら〉10・コロナで休校 ダウン症の次男が、こんなに学校が好きだったなんて
相変わらず「勉強しません」宣言が続行されているのはなぜなんでしょう。「今日は平日だよ。学校の時間だよ。起きなさい」。何度も声をかけ、やっと起きてくるのはお昼前。「今は学校で勉強している時間なんだけど」と言うと、「夕方からやるから♪」。キミはいつから勝手に夜間学校に編入したのだ。
ついに爆発「いいかげんにしろー!」
だけど、わかってはいるのです。自ら進んで勉強しない子に「勉強しろ」と言っても、するわけがないことを。学びたい気持ちが湧いてこないと、ゲームの誘惑に勝てないということも。
だけど、どうにもガマンがならない! おそらく私も、家から外に出られないという状況に息を詰まらせていました。たまったストレスが、イライラが、長男にむかってついに爆発! ソファの上で、スマホに目を落とす長男に「いいかげんにしろー!」と、思いきり怒鳴ったのです。
次男の優しいひと言で、われに返り…
すると、私と長男の間に、スッとダウン症の次男がやってきて、穏やかな目でまっすぐ私を見据え、ひと言優しく言ったのです。
「ママ」。次男の声に私はハッとわれに返りました。そのひと言には「落ち着いて」の意味も込められていました。「そうだね、言いすぎたね」。ありがとうの気持ちでギュッと抱きしめました。慈悲深ささえ感じた次男の顔が忘れられません。
ゲームばかりしているとはいえ、家の中にいることで感染の抑止はしている。それなのに、「外に出たい」と、たまったストレスで子どもに当たるなんて、一番やってはいけないことでした。最近では「親子3人でおうちにいる」生活も、自分のしたいタイミングで勉強をする長男のペースにも慣れ、リズムが整ってきたところです。ご家族それぞれでバランスをとって、この難局をみんなで乗り越えていきたいですよね。今もまだ、始まりの段階にすぎないのかもしれないのですから。(女優・タレント)
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