〈坂本美雨さんの子育て日記〉5・成長ってしゅごいねぇ
ザンネンな「あぁ~あ」
珍しく早い時間に家族そろって夕餉(ゆうげ)を囲んだあと、睡魔にあらがわず床に横になるオット。そこに娘が台布巾を手に近づき、おもむろにオットの顔の上でサッサッと動かしながら「あぁ~あ」と一言(笑)。ザンネンな時に使う、あの「あぁ~あ」。
私が娘のそれはそれは派手な食べこぼしを「あぁ~あ」と言いながら拭くのをいつからかまねするようになって、おしりふきなどで床をシャッシャッとやりながら「あぁ~あ」とつぶやくのがおかしくてたまらなかったのですが、それを! 今日はオットの顔で…! オットは「おい! 汚くねーわ!」と1歳2カ月さんを相手に鋭くツッコミながらも、思わず夫婦で大爆笑したのでした。
もう一つ早くに覚えた言葉が「よいしょ」。かぁちゃんが無意識に言ってることを、そのまま覚えるのが赤ちゃんというもの。私は日々どれだけ「よいしょ」を連発して暮らしているのでしょう…。
娘の初鳴き!?
そして最近のお気に入りが「しゅごいねぇ」。私が娘によく言っているのもありますが、仕事の現場で大人に囲まれている娘は、なにかとすごいねーと周りの人に盛り上げてもらえることが多いのでしょう。うれしいとき、驚いたときなどに出る「しゅごいねぇ!」。ちゃんと使い方が合っているのがしゅごいねぇ、じゃない、すごい。日に日に言葉が増えていく彼女の前での言葉遣いを、いよいよ気をつけなければ…。
さて、話は変わって、ラジオの現場でもかわいがっていただいている娘ですが、先日私が別のスタジオにいる時のこと。娘が、いつも私が座っている椅子へ上り、ヘッドホンを頭に当てて、マイクに向かってごにょごにょとしゃべりだしたそうです。ラジオでかぁちゃんがしゃべっている様子をいつもしっかりと見ていてくれてるんだなと、胸を打たれました。その時なんとミキサーさん(ラジオを録音する職人さん)が即座に録音しておいてくれたのです。なんて粋な計らい…! その音声データをあとで聞かせてもらうと、ハッキリと「しゅごいねぇ」と。この声は、一生の宝物です。
気づけば、ほとんどの現場に娘を連れて仕事をするようになって一年がたちました。子連れ出勤は、私と娘の冒険。その冒険のスタートは生後2カ月以内でした。次回はそのことについて書いてみます。(ミュージシャン)