親の負担が重い少年野球 本当は応援したいのに…辞めました〈古泉智浩さんの子育て日記〉42
週末は一日中 僕ら夫婦がギブアップ
うーちゃんは去年の秋から地元の少年野球チームに入って、熱心に取り組んでいました。春が来て3年生になり、背番号ももらって、いよいよ本格的に頑張ろうとしていたところ、雲行きが怪しくなりました。うーちゃんは週末をとても楽しみに、朝から夕方まで練習に参加していたのですが、僕ら夫婦がついていけなくなり、辞めることになってしまいました。
途中参加だったからか、昨年度中は朝夕の送迎と荷物運びなどのお手伝いをするくらいでした。ただ、本格的に参加するとなると、この春からは、時間が空いている限りほぼ一日中グラウンドにいなければならない様子でした。
妹のぽんこちゃんの面倒を見たり、おばあちゃんを買い物に連れて行ったり、仕事をしたりなど、土日は自分にも用事があります。しかし、そんなのは言い訳。本当のところ、僕は団体行動と長時間の拘束が何より苦手なのです。
夏合宿も 野球経験ない54歳には…
しかも、僕はチームのレクリエーション係に配属され、今年は3年ぶりに夏合宿をすることに。子どもだけが参加というわけにはいきません。レクリエーション担当が合宿に不参加など、あり得ないことです。1日グラウンドにいるのもきついのに、宿泊施設でも他の方々と一緒に過ごすのは、ふだんフリーランスで仕事をしている私にとっては疲れてしまうのです。
自分は54歳。チームの大半のお父さんたちは、僕より若く、中高で野球経験があり、練習でも朝からユニホームを着て心から子どもと野球を楽しんでいます。経験がない僕は練習には参加せず、ママさんたちとグラウンドの隅から様子を見て、朝夕ちょっとだけ手伝っていました。
続けたがっていたのに…申し訳ない
少年野球チームは親の手厚いボランティアで運営されています。団体行動が苦手な僕のような人間になってほしくなかったので、積極的にチームへの参加を促していたのに、僕の方が音を上げてしまいました。うーちゃんは、どんどん上達し体力もついてきて、続けたがっていました。申し訳ない思いでいっぱいです。
週末、家族旅行で新潟県の佐渡島へ行きました。途中、船の中で大リーグの大谷翔平選手の試合が流れていて、うーちゃんは「ママの席がよく見える」と席を替わってほしがっていました。大好きな野球をやめてほしいわけはありません。野球教室などで続けていってほしいと願っています。本当に、申し訳ない。
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みなさんの声を受けて、編集チームが取材しました
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古泉智浩(こいずみ・ともひろ)
漫画家。養子の8歳男児うーちゃんと、5歳女児ぽんこちゃんを育てる。
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