〈坂本美雨さんの子育て日記〉26・世界観を分かちあう
想像力を広げ、信じることの大切さを感じて
映画「ネバーエンディング・ストーリー」を初めて見たのは四歳の時。家族で映画館に見に行った記憶がうっすらとある。人狼(じんろう)のグモルクが唸(うな)るのが怖かったこと、主人公アトレイユの親友の馬が沼に沈んでしまうところなどさまざまなシーンが心に残り、その後何度も見返し、メーキング本やミヒャエル・エンデの原作にも夢中になった。そしてずっと口ずさんできた主題歌を歌手になってからカバーし、今でもまるで自分の曲のように歌い続けている。
その主題歌を「ママのうた」として刷り込まれている娘は、なぜか映画のDVDのカバーを見て「あ! これママのうたの!」と分かったのでした。映画のことは知らなかったはずなので、どこで関連づけたのか、不思議。
それにしても、自分が子どもの頃1番影響を受けた映画を、3歳の娘と見る時が来るとは…。しかし、お馬が沈むシーンでは、娘が悲しがる前に先に泣くかぁちゃん。1日目は半分で集中が切れ、もう興味なくなったかと思いきや次の日に「これ見る!」と自分でDVDを再生し最後まで集中して見て、最後のほうでまたおいおい泣くかぁちゃんを『だいじょうぶ…?』とお膝に乗ってよしよししてくれたのでした。
これは、物語よりも泣くママのほうが強く残ってしまうかもしれないけれど(笑)自然とこの物語のメッセージである、想像力を広げ、信じることの大切さを感じとってもらえたらうれしい。こうやって好きな世界観を分かちあい、同じルーツを持てるというのは幸せなことだ。
児童虐待防止「こどもギフト」始めました
さて、6月から児童虐待防止に取り組むために、「#こどものいのちはこどものもの」というチームで活動しています。自分たちに何ができるだろうと子どものための施設で働く方々のリアルなお話を聞くうちに、どこも資金不足であり、建物の建て替えなどの費用に苦労されていることを知り、クラウドファンディング会社「Readyfor」と組んで「こどもギフト」というプロジェクトを立ち上げました。児童養護施設や自立援助ホームなどに寄付ができる仕組みです。何かしたいけど何をしていいかわからないと思っている人が周りにもたくさんいると思います。ぜひ見て、関わっていただけたらうれしいです。第1弾は12月25日まで。(ミュージシャン)