中学へのスマホ持ち込み 条件付きで容認へ 登下校中の歩きスマホ・校内での保管…課題山積

土門哲雄 (2020年7月14日付 東京新聞朝刊)
 中学校への携帯電話やスマホの持ち込みを文部科学省が認めることになりました。これまで原則禁止としてきましたが、中学生でもスマホの利用率が6割を超え、登下校時や災害時などに保護者との連絡手段として使いたいという声が高まっていました。校内での使用は禁じます。13日に開かれた外部有識者会議で了承されたため、文科省は月内に全国の教育委員会などに通知しますが、「登下校中の歩きスマホで事故に巻き込まれないように」「校内での保管方法は」など、課題は山積。各学校や教育委員会は、文科省の通知を参考に、持ち込みの可否を決めることになります。

大阪は持ち込み容認7%

 大阪府教育庁は昨年3月、小中学校へのスマホ持ち込みを認める独自のガイドラインを作った。しかし、有識者会議で示された資料では、4月現在、府内の市町村で持ち込みを認めているのは7%にとどまり、現場は生徒指導上の課題などに不安を抱えていることが指摘された。

 昨年5月に始まった有識者会議で、全日本中学校長会は「今の時点で(持ち込みを)オーケーするのは時期尚早」と意見。日本PTA全国協議会も「現段階では公立小中学校で持ち込みを認めることは難しいのではないか」と伝えた。

いじめなどトラブル懸念

 会議の議論では、災害時や防犯面などでスマホの有用性を認める一方、生徒たちの個人情報が詰まった高価な機器を預かることへの学校側の不安や、会員制交流サイト(SNS)を巡るいじめやトラブルへの懸念などが多く指摘された。

 文科省の担当者は「スマホを必要とする保護者と生徒、学校でルールや責任の所在をしっかりと話し合い、学校や教委で実情に応じて決めていくことが大事」と強調する。

 静岡大教育学部の塩田真吾准教授(情報教育)は「学校側の負担を増やさないことが大事で、保護者はスマホの保険に入っておくべきだ。登下校時にはカバンに入れておき、学校で使用しないなど具体的なルールを決めておく必要がある」と指摘している。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年7月14日