短かった夏休みが終了 さいたま市、横浜市などで学校再開 各校でコロナと熱中症対策念入りに
暑さ避けパラソル下でアルコール消毒
さいたま市の与野八幡小学校(児童645人、荒木大輔校長)では、午前8時前から子どもたちが一斉に登校。校門付近で出迎えた担当教諭らは、暑さを避けるため一学期はなかったパラソルの下で、子どもたちの手にアルコール消毒液を吹き掛けた。
新型コロナ感染防止で大人数が1カ所に集まらないようにするため、始業式は校内放送で行い、子どもたちは教室でテレビ画面を見る形とした。荒木校長は感染症対策に触れ「一人一人が自分と多くの人を守れるようにしましょう」と呼び掛けた。
6年生女子、友達と遊べたのは1日だけ
6年の高野陽香理(ひかり)さん(11)は「最後の夏休みだけど、短かった」と残念そう。例年行う自由研究で今年は「ドミノ倒し」をテーマに選んだが、休みが短かったため実験やリポートをまとめるのに追われ、慌ただしく2週間が過ぎたという。コロナの影響もあり、友達と遊べたのは一日だけ。「友達とは学校で遊びます。暑いし、コロナもあるけど、2学期は勉強も委員会も頑張りたい」と前向きに話した。
小長谷雅彦教頭は子どもの欠席が少なかったことにほっとした表情を見せたが、「猛暑でエアコンの機能も落ちる。換気のため窓を開けていると教室が冷えなくて…」と暑さ対策への懸念も語った。
中学3年生「最後の行事、成功させたい」
久喜市の久喜中学校(生徒483人、堀内俊吾校長)でも、始業式は校内放送を利用して行った。堀内校長は「16日間の夏休みがあっという間に終わってしまいました。始業式から新たな気持ちで取り組んでほしい」とあいさつ。生徒らは各教室で、テレビ画面を通じて話を聞いた。
3年の中村爽良(あきら)さん(15)は夏休みを受験勉強にあてたといい、「休みがいつも通りの長さなら、もっと問題を解けたと思う。でも、コロナで条件はみんな一緒なので言い訳にはならない」と話した。
3年で生徒会長の窪田桃子さん(14)は「今年は修学旅行がなくなってしまったので、3年生にとって最後の行事となる体育祭や合唱祭を成功させたい」と2学期の目標を語った。
教室はエアコンをつけて、窓も開けて
横浜市の市立学校全509校でも17日、夏休み明けの授業が始まった。新型コロナウイルスの感染拡大防止で3~5月に一斉休校となったため、夏休みは実質16日間という異例の短さで終了。当面、熱中症と新型コロナの両方を予防しながらの集団生活となる。
横浜地方気象台によると、市内の午前8時の気温は30.2度。鶴見区の潮田小では、マスク姿で登校する児童を緒方克行校長が校門で出迎え「暑いけど頑張ろう」と声をかけた。
教室はエアコンと扇風機をつけ、窓を開けて換気。例年は体育館で開く朝会を各教室のテレビで行った。夏休みに水泳の練習とランニングに取り組んだという6年の杉田美乙梨(みおり)さん(11)は「春に休みが多かったから、夏休みが短いのは仕方ない。卒業する時にこのクラスで良かったと思えるような毎日にしたい」と話した。