夏休み短縮でトイレ改修できない 都内の小中学校で相次ぐ工事延期 臭い、汚い、怖い…「5K」解決急務なのに

砂上麻子、加藤健太 (2020年8月14日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 東京都内の小中学校で、夏休み期間中のトイレなどの改修工事の延期が相次いでいる。新型コロナウイルスの感染拡大による臨時休校で減った授業時間を確保するために夏休みが短縮され、十分な工期を確保できないためだ。コロナ禍は、学校生活のさまざまな面に思わぬ影響を与えている。
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工事が延期になった北三谷小学校のトイレ=東京都足立区で

トイレの壁、ひびも入っているのに… 

 足立区の北三谷小学校では、校内6カ所のトイレの大便器を洋式便器にするなどの改修工事が来年度に延期された。老朽化が進み、トイレの壁にはひびも入っている。村松治校長は「こういうご時世なので強くは言えない。来年度に期待したい」と話す。

 小中学校のトイレは、子どもたちから5K(臭い、汚い、暗い、怖い、壊れている)と嫌われ、学校でトイレに行くのを我慢して健康状態を悪化させるなど問題もある。区は「子どもの健康と衛生環境のため優先順位が高い」と位置付け、工事の音で授業に支障が出ないよう、夏休み中に小中学校で計28件の工事を予定していた。

 しかし、授業時間を確保するため、小中学校の夏休みが8月8日~23日の16日間に短縮された。足立区は事業者と協議を重ねたが「短期間での工事は困難」と断られたといい、近藤弥生区長は「泣く泣く涙をのんだ」と語る。

 足立区では、トイレの改修を含め外壁工事など夏休みに予定していた43件の工事が延期となった。事業費は43億円に上り、区内事業者に発注予定だった。近藤区長は「区内の経済にも一定の影響がある」と危惧する。

葛飾区も3件を来年度以降に 「教育を優先」

 葛飾区は、区立小中学校や幼稚園で予定していた3件の工事を来年度以降に延期した。42日間あった夏休みが17日間に短縮され、工期確保ができなくなったためだ。

 区立奥戸中学校は、教室棟の廊下の改修を予定していた。工事期間中に英語や数学の少人数学習をする教室が使えなくなり、「受験に影響が出かねない」として、学校側が延期を要請した。

 北住吉幼稚園の内装工事や金町小学校の体育館の照明工事も、現場からの要請で延期に。葛飾区学校施設担当課の森孝行課長は「工事を延期しても安全面に支障が出ないと確認できたので、教育を優先した」と話した。

 このほか、文京区も夏休みに予定していた小中学校の工事6件の延期を6月下旬に決めている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年8月13日

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