〈田中健さんの子育て日記〉29・親もワクワク授業参観
平日の朝、小学4年生の娘と6時に起き、チーズトーストとフルーツ、スープに蒸し野菜の朝食が始まりました。6時25分には、亡き母から家内が受け継いだテレビ体操の時間となり、家内による1人にぎやかな体操を笑いながら眺めて食事を終えます。
続いて、娘の大好きなテレビ番組「にほんごであそぼ」が流れ、僕も横目で見ながらスーツに着替えます。保護者IDカードとスリッパを用意し、支度終了。朝の10分間勉強を終えた娘と7時7分に連れ立って出発しました。
娘の友人から「老人扱い」?
最寄り駅でクラスメートと合流。電車へ乗ると、優しい女子たちは空席を見つけて「どうぞお座りください」と笑顔で促してくれます。まるで老人扱いですが、その通りなので勧められるままに座って過ごしました。子どもたちは満足し、仲良くニコニコと立っています。
向かっている先は娘の小学校。僕の最近の楽しみの一つ、授業参観の開催日です。
今回の参観で特筆すべきは担任の先生の算数の授業。最初に「世界の筆算」というプリントが配られました。
「457÷18」を筆算で計算する復習からスタート。同じ式をフランス、インド、オーストラリア、スウェーデン、オランダの5つの国ではどのように解くかを学びます。日本とは違う表現や考え方で答えを出していると教わりました。一つずつ検証しながら、どの国の方法が好きか、合理的か、ヨーロッパとアジアで考え方が違うのではないかなど意見を出し合いました。
大人にとっても面白い!
説明に添えられた国旗の絵から話が広がり、「フランスと同じ色を使った国旗はどの国だろうか?」の質問に「オランダ」と正解も出ました。娘はフィリピンの国旗について、「戦争中は赤色が上、平和な折は青色が上と変わります」とミニ知識も披露しました。
こういったクラスメートに伝えたいミニ知識は「キラキラノート」にまとめると発表ができます。「またノートで発表してくださいね」と算数に流れが戻り、あっという間に授業が終わりました。
先生が全員に発言を促し、子どもたちもそれに応じます。活気あふれた話の広がり方は、上質なエンターテインメントを見ているようでした。僕らもすっかり引きつけられ、大人ながらもっと知りたいという知識欲も湧きました。これがつい、いそいそと参観に出掛ける理由の一つです。先生方に心から感謝し、次の参観を今から楽しみにしています。(俳優・ケーナ奏者)