いつもとちょっと違った給食に 多摩地区の小中学校で多彩な取り組み
府中 東京農工大が育てた野菜を味わう
府中市立中学校6校の生徒が、地元の東京農工大の学生や職員が育てたジャガイモを使ったカレーライスを味わった。市立中学校(11校)の給食に、同大で栽培された野菜を使ったメニューが15日から月1回程度、提供されることになった。
同市は学校給食に地元農家が栽培した農産物を使っており、市立中の給食に同大の野菜も使うことに。15日の給食の「夏野菜のカレーライス」は、同大で栽培されたジャガイモやニンニクを使い、ナスなどと合わせて給食センターが調理した。
府中第七中では生徒約210人が味わった。3年の望月慶進(けいしん)君(14)は「ほくほくした食感のジャガイモがおいしい」と笑顔。3年の平松まなみさん(15)は「これからも楽しみ」と話した。
同大は栽培した農産物を府中キャンパス南門近くのアンテナショップ「農工夢市場」で販売している。
八王子 築城500年の滝山城にちなんで
国指定史跡「滝山城」(八王子市)の築城500年を記念して、市内の小中学校で今月、城にちなんだ給食が提供されている。滝山城主だった北条氏照のほか、氏照の兄、氏政が治めた小田原城(神奈川県小田原市)、弟の氏邦が治めた鉢形城(埼玉県寄居町)をモチーフに両市町の特産品を食材に使っている。
給食に登場するのは、桜の名所である滝山城にちなんだ「マスの桜揚げ」のほか、寄居なすと豚肉の炒め物、小田原かまぼこのからし和え。北条三兄弟が活躍した戦国時代に食された麦やあわなどを使った雑穀ご飯も提供される。
滝山城近くの加住小学校と加住中学校では「小田原かまぼこが食べたくて楽しみにしていた」などと話しながら、味わっていた。子どもたちは給食の前に、市が制作した滝山城を紹介するマンガも読み、歴史への理解も深めた。
北条氏は小田原城を本城とし、関東で勢力を拡大。氏政と氏照、氏邦が協力して地域の繁栄に尽力したことから、3市町は2016年に姉妹都市の協定を締結して交流を図っている。