「都立学校の制服、性別関係なく選べるように」トランスジェンダーの大学生らが署名提出
奥野斐 (2021年11月10日付 東京新聞朝刊)
都立学校の制服を性別に関係なく選べるようにしてほしいと、今春に都立中高一貫校を卒業したトランスジェンダーの大学生(18)らが9日、11500筆余りの署名を東京都教育委員会に提出した。都庁で会見した学生は「制服で苦しむ子どもたちを一人でも減らしたい」と訴えた。
「個別対応」では当事者の公表になる
学生は現在は女性として暮らすが、男性用制服を着ていた中学在学中を「自分を否定されるようなもの。『おまえは男だ』などと強制されているようで、悔しくてたまらなかった」と振り返った。在学中の昨年11月に、インターネットのサイト「Change.org」で署名の呼び掛けを始めた。
都教委によると、2016年度の調査で、都立の高校191校中、180校で制服または標準服が定められている。このうち93校には女子用スラックスがあった。都教委は、性的少数者の児童生徒に関しては「個別に対応している」という立場だが、学生らは「自分が当事者だと公にしてしまう」ことになりかねないと指摘。「性別を理由とした非合理な扱いは学校へ行くことに不安を抱かせる」などと主張した。