江戸川区立中の制服「選択制にして」 区内高校生が区長に1万1000人分の署名提出 男女別で苦しむことないように

(2020年8月15日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 東京都江戸川区立中学校の制服を性別に関係なく選べるようにしてほしいと、同区の高校生(17)が14日、区役所を訪れ、インターネットで集めた11582人分の署名を斉藤猛区長に手渡した。高校生は女性として生まれたが、現在は自らの性を男性と認識しているトランスジェンダーで「制服で苦しむことなく、自分らしさが尊重されるようになってほしい」と制服選択制の実現を訴えた。
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制服の選択制を求める署名を斉藤区長(右)に手渡す高校生=江戸川区役所で

「先生に理解されず、死のうと思ったこともあった」

 高校生は幼いころから「女の子じゃない」と感じ、区立中学時代は制服のスカートが苦痛だった。体操着も男女でデザインが異なり、男子用を着たら、先生から「気持ち悪い、脱げ」と言われた。高校は制服がない定時制に進学した。

 今春、新型コロナの影響による休校から学校が再開後、区内の一部中学で男女別の登校が実施されたと知り、「自分のような後輩を救いたい」と制服選択制を求め、6月から署名サイト「Change.org」で賛同を呼び掛けた。

 この日、区役所には、高校生と支援団体「LGBTコミュニティ江戸川」のメンバーが訪問。高校生は「僕は先生などに理解されないことが多く、大人になる前に死のうと思ったこともあった」と、時折声を詰まらせながら話した。

斉藤区長 実現の方向で検討する姿勢

 署名を受け取った斉藤区長は「制服で不登校になったり自殺を考えたりすることはあってはならない」と話し、制服選択制を実現する方向で検討する姿勢を示した。また、私見と断った上で「私服の選択肢もあってもいい」と話した。

 同区では中学校1校で女子がスラックスを選べる。高校生らは、制服のあり方を検討する委員会の設置や教職員の理解促進のための研修なども要望した。

 文部科学省によると、制服は教育委員会や学校長の判断に委ねられている。他区では、世田谷区が昨年4月から全区立中で男女に関係なく、制服を自由に選べる。

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