登校拒否の悩みは「トーキョーコーヒー」で 不登校の子どもを持つ親が語り合う場、足立区でもスタート
佐藤航 (2022年11月2日付 東京新聞朝刊)
不登校の子どもを持つ親らが交流を深める「トーキョーコーヒーあだち・かつしか」が、9月末から足立区などで活動を始めた。子どもと一緒にお茶会や手芸などを楽しみながら、胸に秘める悩みや教育現場に抱く思いを共有。互いに理解を深め合い、わが子と向き合う方法を探っている。
同じ立場の親同士 お茶や手芸で交流
10月24日に足立区東和3の東和地域学習センターで開かれた3回目の集いには、保護者と子ども、活動の趣旨に賛同する人など20人ほどが参加した。この日は、ビワの葉を焼酎に漬け込み虫刺されに効くとされる「枇杷(ビワ)の葉エキス」作りを体験。大人が輪になって作業する周りを、子どもたちが走り回り和やかな空気が広がった。
「登校拒否」をもじった「トーキョーコーヒー」の活動は、奈良県の団体の呼び掛けで今夏から各地に広がった。「あだち・かつしか」発起人の泉美智江さん(44)は、「思い詰めて悩むより、まず楽しんで打ち解けるのが大切」と説明する。同じ立場同士、話題はおのずと子育てや学校教育へと広がっていくという。
子どもの自己肯定感を後押しする場に
泉さんはこれまでの集いで、小学1年の次女が時々学校に行けなくなることを話した。学校の理解もあり、あらかじめ連絡して休む場合もある。そうした体験を語り合うことで、子育てのヒントを共有できるようになる。
同じく発起人の薄葉(うすば)藍さん(44)は、「小学3年の長男が学校に行きたくないと言っていて、その悩みを皆に話したかった」と打ち明ける。
集いは保護者が心を整えると同時に、子どもの自己肯定感を後押しする場でもあるという。泉さんは「不登校にマイナスイメージを持っている参加者が少ないから、子どもも自分の存在を認めてもらえる安心感を得ることができる」と話している。
各地の活動などはトーキョーコーヒーのWebサイトで紹介している。