東京都内の不登校が過去最多の2万人超 公立小中の2021年度調査で22%増 コロナ禍の不安や生活リズムの乱れが要因か

三宅千智 (2022年10月28日付 東京新聞朝刊)

グラフ 不登校児童・生徒数の推移

 文部科学省が27日に発表した2021年度の児童・生徒の調査で、東京都内の公立小中学校の不登校の子どもは2万1536人(前年比22%増)で、文科省が都道府県別の結果の公表を始めた2008年度以降、最多だった。都教育庁は、新型コロナ禍で漠然とした不安を抱えたり、生活リズムが乱れて不登校になるケースなどが背景にあるとみている。

要因が多様化・複雑化 対策が難しい

 年間30日以上欠席した「長期欠席児童・生徒」のうち、心理的、情緒的理由や社会的要因などで登校しない「不登校」の児童は7939人(前年比26%増)、生徒は1万3597人(同20%増)。

 新型コロナにまつわる要因以外にも、不登校を休養や自分を見つめ直す時期と捉え、学校復帰を無理に促さない考え方が、教育現場や保護者の間で広まったことも増加に影響したという。

 東京都教育庁の担当者は「不登校の要因は多様化、複雑化しており対策が難しい。未然防止の推進が重要」と説明。スクールカウンセラーの勤務日数を増やすなど、学校が子どもの小さな変化を早期に発見し、速やかに専門家と連携できる体制を強化する。

感染を避けるための長期欠席も増加

 長期欠席のうち、新型コロナの感染を避けるため、本人や保護者の意志で出席しない「新型コロナ回避」は、児童が7444人で前年の2.8倍、生徒は2643で4.3倍だった。

 いじめの認知件数は小学校が5万4210件(前年比41%増)、中学校が5560件(同36%増)。新型コロナに伴う臨時休校や分散登校が影響した2020年度に対し、2021年度は通常の体制が戻り、子ども同士の関わりが増えたことが増加要因とみられる。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年10月28日

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