「小さい子がいるのに、こんなに遅くまで働いて大丈夫?」…それ、女性にだけ言っていませんか

(2024年4月5日付 東京新聞朝刊)
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今川綾音・東京すくすく編集長

夫婦どちらでもOKにしたのに

 「こんなに遅くまで働いて大丈夫? お子さん、どうしてるの?」

 子どもがまだ小さい頃、遅い時間まで仕事をしていると、よく声をかけられました。決まって男性からで、こんなやりとりが続きます。「今日は夫がみてるんです」「そうなの、でも早めに帰ってあげなさいよ」

 子育て中であることを気遣ってくれる気持ちをありがたいと感謝しながら、どこかで責められているような思いも抱いていました。「お母さんなんだから、子どもが小さいんだから、ちゃんとそばにいてあげなきゃいけないよ」と。

 夫婦どちらでも家庭を切り盛りできるように、時間をかけて築いてきた育児と家事の協力関係。平日は毎日、私が保育園のお迎えをしていた子育てのスタート時から、週1日、2日と、夫に任せられる日が増えていきました。

 この15年間の歩みの半ばで、夫は「妻が育児ノイローゼぎみなので」と上司や同僚に告げて、保育園のお迎えに間に合うように退社していた時期があったことを知りました。そうまでしないと帰れない雰囲気だったのでしょう。10年ほど前のことです。

 ひるがえって、時は2024年。こども家庭庁の発足1年に合わせ、連載「少子化時代のホンネ」で取材した29歳の女性は「働く上での男女格差が減ってきたとはいえ、まだまだうわべだけの話。子どもを産んだら働き方が変わるのは女性だと思う」と、結婚や出産をためらう理由を率直に語っていました。

 子育て中の男女をめぐる職場の意識はまだまだ変化の途上。あなたの職場で小さい子を子育て中の男性が遅くまで仕事をしていたら、こう声をかけてみませんか? 「こんなに遅くまで働いて大丈夫? お子さん、どうしてるの?」

少子化時代のホンネ ~こども家庭庁1年~

 昨年4月にこども家庭庁が発足して1年。次々と打ち出される子育て支援策は、子どもを育てる人たちの負担感の軽減や、「子どもを産みたい」と思える社会につながるのでしょうか。連載「少子化時代のホンネ」では、3回にわたって考えました。

①対策のスタートラインは?(3月20日公開)
②子育てのロスジェネ(3月27日公開)
③声すら上げられない(4月3日公開)

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