偶然?奇跡? 150周年記念の風船が「同い年」の2小学校に舞い降りて… 川崎市・生田小5年生がオンライン交流

榎本哲也 (2023年9月15日付 東京新聞朝刊)

風船と150周年の縁でつながった上高根沢小、三輪野江小とオンラインで交流する生田小の児童たち=いずれも多摩区の生田小で

 風船が結んだ縁で、遠く離れた3校の児童が画面を通じて出会えた-。川崎市多摩区の生田小学校の5年生児童が14日、栃木県高根沢町立上高根沢小学校、埼玉県吉川市立三輪野江小学校の児童とオンライン交流した。生田小はことし創立150周年。記念事業で飛ばした風船が舞い降りた両校も、創立150周年。偶然が、約40~120キロ離れた3校の交流につながった。

栃木・埼玉からお祝いのメッセージ

 「風船が縁でつながりができたと思うと、とても不思議な気持ちですね」

 生田小の音楽室。5年1組の児童が呼びかけると、スクリーンの向こうで、上高根沢小の児童が応えた。「学校に風船が飛んできた時はびっくりしました」

3校のオンライン交流画面。栃木・上高根沢小(左上)、川崎・生田小(右上)、埼玉・三輪野江小(下)

 生田小が、連絡先を記した約500個の風船を飛ばすバルーンリリースを行ったのは4月。舞い降りた風船を手にした人々から次々とお祝いが届く中、同じ「150歳」の両校からもメッセージが寄せられた。これを機に連絡を取り合い、交流会が実現した。

 上高根沢小からは5年生8人が登場。事前に撮影した歌や踊り、ユーモアを交えた自己紹介が流れると、生田小の児童たちの笑い声が響いた。

互いの学校をクイズ形式で紹介

 両校は、互いの学校や地域を、クイズ形式などで紹介。生田小児童が「修学旅行は日光へ行きます」と話すと、日光と同じ栃木県にある上高根沢小児童が「待ってます」と歓迎した。

 別の教室では、5年2組が三輪野江小と交流。おそろいの赤いTシャツで画面に登場した同小児童の姿に、生田小児童から「すごい」との声が出た。

 後半は5年生児童83人全員が音楽室に集まり、3校同時に画面で交流。それぞれの校歌を披露し、笑顔や拍手が絶えない中、1時間超の交流が終わった。

修学旅行で日光に行く時会えれば

 1組の白石理人君(11)は「上高根沢小は少ない人数ですごく頑張っていた。僕たちも、人数が多くても、みんなで協力できるところを見せられたと思う。修学旅行で日光に行く時、もし会えたら、奇跡だなと思います」。

 2組の鈴木可風君(10)は「奇跡的な交流会ができました。生田の魅力、川崎市の魅力を伝えられたと思います。いつか向こうの学校を、自分の目で見て、もっと詳しく知りたい」と話した。

 渡辺晴美校長(60)は「子どもたちのアイデアで生まれたバルーンリリースで縁が生まれ、交流という形になって良かった」と話していた。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年9月15日