小1担任が授業中のトイレ使用を強く叱責 「先生が怖い」複数児童が失禁…3人が不登校に つくば市教委が不適切指導認める
「体罰に近い」 1人は転校
茨城県つくば市立竹園東小学校で、1年生担任の40代の女性教諭が児童のトイレ使用を強い口調で指導し、児童3人が一時登校できない状態になっていたことが、学校やつくば市教育委員会などへの取材で分かった。1人は転校を余儀なくされた。市教委は不適切な指導があったと認め「(言葉による)体罰に近い」との認識を示した。
「みんなの前でお漏らしは嫌だよね」
つくば市教委などによると、担任教諭は4月中旬ごろ、授業中に無断でトイレに行った児童を「どこに行っていたの。勝手に行ってはだめでしょ」などと厳しく叱責(しっせき)。その後、トイレに行きづらくなった複数の児童が失禁。2日連続で失禁した児童が保健室に行った際は、他の児童に「みんなの前でお漏らしするのは嫌だよね」などと発言した。
児童らは「担任の先生が怖い」と保護者に訴えていた。登校できなくなった児童の保護者の1人が5月、学校側に「クラスを変えてほしい」と求めたが受け入れられず、別の市立小へ転校せざるを得なくなった。市教委はこの保護者の情報などから、他にも登校できなくなった児童がいることを把握したという。
教員不足 研修を受けさせて復職へ
市教委によると、担任教諭は心身の不調を訴え、7月13日から療養休暇に入り、現在は休職中。担任は教務主任が交代した。
この教諭への今後の対応について、市教委の山田仁巳(ひとみ)・学校教育審議監は取材に「市立小中学校の教職員はぎりぎりの人手で運営している。大切な人材で、体調が戻ったら研修を受けさせたい」と述べ、復職させる意向を示した。市教委の方針に、被害児童の保護者は「教諭の復職は、全校の保護者に説明した上で慎重に考えていただきたい」と要望した。
校長「口調が強いと引き継ぎあった」
竹園東小学校によると、この教諭は2019年度に着任し、これまで2、4、6年の担任を経験。今年4月から1年のクラスを受け持ち、学年主任も務めていた。2022年度に赴任した皆川正美校長は取材に「前任の校長から『口調が強いことがあるので、よく見守ってください』と引き継ぎがあった」と説明した。
今回の事案については、「担任の不適切な指導だったと考えている。強い口調で子どもたちに『怖い』という感情を抱かせ、心に寄り添っていない。子どもたちに申し訳ない」と謝罪。「いろいろ考え、適正だと思って1年の担任に配置したが、今思えば他にも方法があったかもしれないと反省している」とした。
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