立川高校の夜間定時制、2024年度で募集終了 残りは品川区の小山台高校だけに 都は「チャレンジスクール」拡充方針
三宅千智 (2023年10月27日付 東京新聞朝刊)
東京都教育委員会は26日、都立立川高校(立川市)夜間定時制課程の生徒募集を2024年度で終了する方針を決めた。同校の夜間定時制は2024年度入学の生徒が卒業した時点で廃止する。存続を求めてきた市民らは強く反発している。
立川でも25年度にチャレンジスクール
都教委は2016年2月、応募倍率の低下や生徒数の減少などを受け、立川高校を含む都内4校の夜間定時制の廃止を決定。このうち立川高校と小山台高校(品川区)は、受け皿の整備が整っていないなどの理由から生徒募集を続けていた。
都教委は、不登校経験者や高校中退者を受け入れる定時制高校(3部制)の「チャレンジスクール」を拡充する方針で、立川地区にも2025年度に新設する。このため、立川高校夜間定時制の募集停止に踏み切ったとしている。小山台高校の募集停止時期は未定。
伝統ある定時制高「廃校納得できない」
都教委によると、夜間定時制の応募倍率(第1次募集)は2016年度に0.38倍だったが、2023年度は0.26倍に低下。担当者は「昼間に働いて夜間に学ぶ勤労青少年が減り、夜間定時制のニーズも減少している」と説明した。
市民団体「立川高校定時制の廃校に反対する会」は同日、存続を求める声明を発表。事務局の河合美喜夫さん(71)は、立川同校の夜間定時制には約150人の生徒が在籍しているとして「伝統ある定時制を廃校にする理由が分からず、納得できない」と話した。
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