「ヤングケアラー」、’’子どもの居場所’’が連携して支援を 川崎の教員や児相職員がオンラインシンポ

安藤恭子 (2021年8月26日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 家族やきょうだいの世話を担う「ヤングケアラー」の子どもたちについて、川崎市の実情を反映した支援のあり方を考えるシンポジウムがオンラインで開かれた。市内の高校教員や児童相談所(児相)職員が参加し、早く問題に気づき、地域ぐるみで支える必要性が話し合われた。

教員の認識が低いと「宿題忘れは気の緩み」

 シンポジウムは川崎区の多摩川河川敷で2015年、中学生が殺害された事件を機に発足した「かわさき子どもの貧困問題研究会」が企画。3月の国の調査によると中学2年生の17人に1人はヤングケアラー。「手伝いの域を超えた家族の世話で、部活や進学をあきらめる子もいる」とし、7月25日にオンラインで市内の実情を話し合った。

 定時制高校教員の松本智春さんは「周囲の教員にヤングケアラーという言葉はあまり知られていない。でも意味を説明すると、出会ったことがある教員は100%だった」と指摘。問題として認識できないと、「家族を手伝ってえらい」「宿題忘れは気の緩み」というようなズレた判断をしかねない、と懸念した。

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中学生が書いた「休みくれ」の習字作品も示されたオンラインシンポジウム

 市ふれあい館(川崎区)の鈴木健副館長は「休みくれ」と書いた、ヤングケアラーの中学生の習字作品を紹介した。子どもが友達と遊び、恋愛し、けんかするといった「当たり前を取り戻す」大切さを説き、「学校や地域、ふれあい館のような子どもの居場所が連携して支援を」と提案した。

早く気づかないと、より深刻な虐待に発展

 市内の児相で働く児童福祉司の女性によると、ヤングケアラーの背景には家族の精神疾患やネグレクト(育児放棄)といった問題もある。女性は「早く気づいてあげないと、子どもの役割が大きくなって、家族のために働くのが当たり前になる」と話し、より深刻な虐待に発展するとした。ヤングケアラーという言葉が広がることで「子どもが問題を打ち明けやすくなれば」と願った。

 研究会の青池昌道・共同代表は「市役所や議会とも情報交換をし、この問題への関心の高さを感じている。今回の提言が、川崎での具体的なヤングケアラー支援につながれば」と期待した。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年8月23日

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