新1年生の入学前に必ず親子で「通学路チェック」を 平日の登下校時間に同じ目線で 横断歩道にも危険が潜む
行きも帰りも一緒に 危険箇所を確認
小学校は子どもだけでの登下校。新1年生にとっては変化が大きい。教育評論家で元小学校教諭の親野智可等(おやのちから)さん(65)は「地域の見守りボランティアもいるが、ずっと付き添えるわけではない。安全に通えるように、必ず親子で通学路をチェックしてほしい」と話す。
まずは、実際の登下校と同じ時間帯で、行きと帰りの両方を歩く。土日曜の休みではなく可能な限り平日に。朝夕の通勤ラッシュ時とそれ以外では、同じ道でも様子が全く違うからだ。
車がスピードを出しやすい場所はないか、川や用水路、踏切などの危険箇所も確認する。大事なのは、子どもと同じ目の高さを意識することだ。大人にとっては見通しが良くても、子どもの目線では木や看板の陰になって、車が来ていても見えにくい場所がある。
青信号で左右確認、手を挙げる練習を
特に注意すべきは横断歩道。子どもは、車がどれくらいの速度で走っているかを判断することが苦手で、「まだ遠いから大丈夫」と渡ってしまい事故に遭うこともある。信号があって青でも、信号無視の車が進入してくるかもしれない。「青信号になったら、右、左、右を見てから手を挙げて渡る。子どもは言葉だけでは理解しにくいので、横断歩道で一緒にやってみて、体で覚えることが大事」と、親野さんは語る。
信号待ちでも車道のすぐそばに立つと、バスやトラックなどの大型車が曲がるときに後輪に巻き込まれる恐れも。車道から1メートルは離れるよう伝えよう。
通学路が危険なら別の道 学校に相談
警察庁によると、2022年までの5年間で、歩行中に亡くなったり重傷を負ったりした小学生は2185人。1年生は508人で2年生に次いで多く6年生の3倍超になる。
交通量が多いのに歩道がないなど、通学路そのものが危険なら、遠回りでも安全な別のルートに変更するのも手だ。親野さんは「事故があってからでは遅い。遠慮せずに学校に相談してほしい」と話す。
不審者がいたら? 逃げ込める場所は?
交通事故のほか、不審者への対策も考えたい。人通りが少なく、周囲から死角になる道は狙われやすい。万が一、不審な人に後をつけられたり、体を触られそうになったりしたら、大声を出して大人に助けを求めるよう教える。近くに「子ども110番の家」があれば、事前に場所を確認しよう。親子で訪ねて家の人にあいさつしておけば、いざというときに駆け込みやすくなる。コンビニや商店などでもいい。
防犯ブザーを持たせるなら、ランドセルのすぐ手の届く所に付け、使う練習をする。重いランドセルを背負ったままでは早く走れないので、非常時はランドセルをその場に置いて逃げることが大事だという。
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