パパ記者通信(2)入園時は娘も不安 「行きたくない」と言われて
佐野周平 (2017年4月14日付 中日新聞朝刊)
娘が4月、近所の認定こども園に入園した。この一年間、未就園児向けの幼児教室で毎月4日間、通ってきた園だ。すぐに慣れるだろうと思っていたが、親が考えるように単純ではなかった。
通園2日目の夜、布団に入って電気を消すと、娘がしくしくと泣きだした。「明日は幼稚園に行きたくない」。この日の昼下がり、園に迎えに行った際には「楽しかった」と笑顔で話していたので、安心しきっていた。
翌朝も起きて早々、上目遣いで「今日も幼稚園?」と聞いてきた。返事に迷った末に、「みんなが待ってるよ」と声を掛け、普段よりも高いテンションで娘を見送った。
こんな時、親はどう対処すればいいか。こども園の保育士大石和恵さん(48)は「親まで過敏になると、子どもが引きずってしまう」と話す。大半の子は長くても一週間で平気になるといい、「親も我慢が必要。さらっと見送ってあげて」とアドバイスしてくれた。
昨秋から同じ園に通っている娘の友達の子も、入園当初は通園時に激しく泣いたが、数日で収まったという。その子の母親は「幼稚園に慣れようと頑張っていただろうから、家ではわがままを聞いてあげるようにしていた」と話す。
時間がたてば、きっと幼稚園が楽しみになるはず。親も不安だが、ここはぐっと我慢して、その日を気長に待ってみようと思う。