保育園の先生は女性の仕事? 自分の思い込みに気づいた瞬間

飯塚大輝 (2022年10月20日付 東京新聞朝刊)

 「共働きなのに、保育園からの連絡がいつも私に来るんです」

 上尾市の子育て支援施設に寄せられた母親の相談だ。事務仕事の夫の方が電話には出やすい。園には夫の連絡先も伝えてある。それでも毎回、母親に連絡が来る。話を教えてくれた鈴木玲子施設長は「今でも『子育ては母親の仕事』との意識が根強いため」とみる。

 話を聞いて反射的に思った。「女性にも『女性はこうあるべきだ』という思い込みがあるのか」と。そしてすぐにハッとした。自分自身、電話してきた職員は女性だと決め付けていた。保育園の先生は女性の仕事。心のどこかでそう思っていた。「口に出さなくてよかった」。ひそかに安堵した。

 性別による役割や職業の偏りが偏見を生み、偏見がその偏りを固定化する。「男だから」「女だから」という思い込みをなくすことが、本当の男女平等の基礎だろう。平成生まれの筆者も両親は共働き。思い込みは少ないつもりだったが-。一つずつ、気づいていくしかない。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年10月16日