子どものマスターベーション、気をつけることは?〈性教育10の悩みに答えます⑧〉

 東京すくすくは、開設3周年を記念して、気になるテーマを楽しく学べるオンライン講座を企画しました。第1弾は「性教育」です。講座〈教えて!サッコ先生 性教育10の悩みに答えます〉で取り上げた質問を、記事でもテーマごとに紹介します。思春期にさしかかる息子を持つお母さんからの質問です。

マスターベーション、何か気をつけた方がいいことはありますか?

 息子が高学年にさしかかり、性的な関心も高まる時期。マスターベーションのことが気に掛かります。親であっても踏み込めないゾーンかなと思う一方で、体や心への影響が気になります。

「セルフプレジャー」は自然な成長の一つ

サッコ先生 きっと相談してくださった方は、いけないことと捉えているわけではないんですよね。けれども、お子さんがそういう段階にくるな、っていうことに対してご心配があるということですよね。

 私たち性教育業界では最近、マスターベーションとかオナニーという言い方ではなく「セルフプレジャー」と、ポジティブなワードで呼ぶよう伝えています。まず、セルフプレジャーをするようになる、ということはとっても自然な成長の一つ。大人に向けての喜ばしいことだ、というのが大前提です。とっても自然なことで、自分の体を触るのって気持ちいいことだよね、と肯定してあげましょう。そして、セルフプレジャーは、自分だけの空間ですることはいけないことではないですよ、ということが大事。自分の部屋、お布団の中、お風呂場、トイレといった一人だけになれる空間ですることはまったく問題ないのです。

思春期の子どもの部屋 入る時のマナーは

すくすく 思春期になると、子どもの部屋に入るのもちょっとドキドキします。

サッコ先生 たぶん、親側にも子側にもどちらにも悩ましいのは、目撃してしまった、されてしまった問題ですよね。息子さんが、もしくは女の子がセルフプレジャーするのももちろんいいのですが、その最中にコンコンとノックしてすぐガチャッと入って目があったら最悪です。そうなっちゃわないように、思春期になったらお子さんの部屋に入るときは「コンコン、ガチャ」ではなく、「コンコン、コンコン、コンコン…それから『入るよ~』」と言って、「どうぞ」と言われてからドアを開けるようにしましょう! これは思春期になったらお互いのマナーにすべきです。「ドスドスドス」と足音をわざとさせて近づくとか、そんなちょっとした工夫があるといいですね。

産婦人科医「サッコ先生」こと高橋幸子さん

強すぎる刺激に注意 将来の性交に影響も

すくすく セルフプレジャーで気を付けるべきことってあるんですか。

サッコ先生 強すぎる刺激でのセルフプレジャーに慣れてしまうと、将来赤ちゃんをつくりたいという性行為の際、とても柔らかい女性の体の中でうまく射精をすることができないことがあり得ます。「膣内射精障害」といい、男性側に起因する不妊症としてとても増えています。これは、思春期のころからの、誤ったセルフプレジャーの方法によるものだと言われています。大人になってからパートナーとの性行為がうまくいかないと悩んでいる患者さんをみているので、泌尿器科医の先生も私たち産婦人科医も、今、強すぎる刺激で気持ちよくなる習慣が身についている人は、少し優しい方法で、と気を付けていくほうがいいよと伝えています。

でもこれって、親からは言いにくくないですか?

すくすく 言いにくいです…言えないです。

サッコ先生 ですよね。これはやっぱり集団教育、学校の性教育でみんなで学ぶのがいいのかな、と思います。女子にも男性の体に関してこんな問題があるんだよと知ってもらいたいので、私が中学1年生向けに話すときは、女子も男子も一緒に聞いてもらっています。

高橋幸子(たかはし・さちこ)さん

 「趣味・性教育、特技・性教育、仕事・性教育」の産婦人科医。愛称は「サッコ先生」。埼玉医科大で医師として思春期外来などで診察に当たるかたわら、全国各地の学校などで年間120回以上性教育の講座を行う。家庭でできる性教育も支援しようと、サイトの監修や本の出版もし、多角的に活動する。著書に『サッコ先生と!からだこころ研究所 小学生と考える「性ってなに?」』(リトルモア)。

コメント

  • 確かにそうだと思います。
     男性 無回答 
  • 今ではだいぶ認知されるようになってきたけど、男性であれば普通なのに女性のセルフプレジャーはふしだらに見られる。 いまだに女性にも性欲があることが分かってもらえない世の中。私だけなのかなと罪悪感を
     --- ---