「不適切保育かも…」の相談窓口、横浜市が4月開設 専門業者に委託

神谷円香 (2023年3月9日付 東京新聞朝刊)
 横浜市は、保育所や幼稚園での不適切な保育に関する相談に外部の専門業者が応じる相談窓口を4月1日から設置すると発表した。これまでは市の担当課が相談や通報を受け付けていたが、施設を指導する立場でもある市の担当者には話しにくい場合もあるため、企業の内部通報などに詳しい専門業者に委託する。

行政指導までに1年のケースを反省

 相談は、施設の職員や元職員、在園・卒園児の保護者、施設の近隣住民などから、ウェブサイトと電話、FAXで受け付ける。原則として実名を明かしてもらう。内容は不適切な保育に関する相談のみで、施設運営や労働条件などは対象外。内容は横浜市に報告し、市は関連部署と情報共有する。

 市の対応方針について専門的な助言を求めるため、保育に詳しい弁護士が外部専門家として関わる仕組みも新たに導入する。

 横浜市は2月、市内の認定こども園で不適切な保育があったとして園に行政指導をしたが、2021年に証拠となる動画を示した関係者の連絡先を確認せず、指導までに1年以上かかっていた。その反省から専門スキルのある業者に聞き取りを委託し、対応状況を相談者にフィードバックする体制も整えた。

 山中竹春市長は8日の定例記者会見で「適切な対応ができなかったことを大変申し訳なく思っている。対応の手順や情報共有のルールづくりも速やかに進めたい」と述べた。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年3月9日