保育士13人中9人が出勤せず一時休園 人員不足で園長への不満爆発 小金井市の私立「なないろ保育園」
19日に一時休園 前日夜にメール
小金井市や法人、保護者によると、一時休園したのは19日。前日夜、メールで保護者に知らせた。法人が運営する他園や本部からの応援を入れて20日に再開したが、保育士の必要数は確保できず、受け入れる園児を約50人に縮小。保護者宛てのメールで「28日までは産休・育児休暇中の方、また家庭保育が可能な方はできる限りの家庭保育のご協力をお願いいたします」と登園自粛を要請し、しのいでいるという。
法人による市への報告では、トラブルの原因は施設長と保育士らとの人間関係だったという。
保護者の一人は「保育士の人手不足は各地で問題になっているが、小金井市でも起きてしまった。一大事だと感じるが、詳細が分からないので不安だ」と話した。
保育士からの修繕要望にも応えず
小金井なないろ保育園を運営する社会福祉法人なないろが22日開いた保護者説明会には、約60世帯の保護者らが出席。小島章敬理事長が冒頭、19日に保育士13人のうち9人が出勤せず臨時休園したことなどを陳謝した。
保育士らが出勤しなかった原因については、人員不足で休憩が取れないなど園長への不満が続出したことや、保育士らによる設備修繕の要求に未対応だったことなどを説明した。出席した保護者の1人は「労使がうまくいっていないのが分かった。園児や保護者にはとんだとばっちりだ。保育士に職場復帰を依頼中というが、5月以降の受け入れ態勢は不明確だった」と不平をこぼした。
保育園のトラブル続きの小金井市
小金井市は、なないろ保育園から他園への転園希望者には柔軟に対応する方針。
一方、小金井市内に本部がある別の保育園運営会社「コスモズ」の補助金不正受給問題や、前市長の置き土産である市立園の廃園手続きなど、保育園を巡る問題が多く、市の担当者は対応に頭を抱える。「公立園には今回のような緊急時の受け皿の役割が期待されていますが、各園の人員不足も深刻で…」と言葉を詰まらせた。
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