園児ロープ事故の再発防止へ、久喜市が全園長の研修会と専門家派遣 2024年度予算案に約100万円

菅原洋 (2024年10月8日付 東京新聞朝刊)
 埼玉県久喜市の私立「なずなの森保育園」で2023年5月、男児の首に遊具のロープが巻き付いて一時意識不明の重体となった事故を受け、久喜市は5日、2024年度に市内にある全約40カ所の園長らを集めた研修会を開催後に、各園へ専門家を派遣する事業を実施する方針を決めた。2024年度の当初予算案に、新規事業として事故防止対策の推進事業費約100万円を盛り込んだ。

事故が起きた当時の遊具=久喜市で、2023年5月撮影

検証委員会の報告を受けて

 久喜市によると、まず夏~秋ごろ、なずなの森保育園と市内の認定こども園や幼稚園などの責任者を集めて研修会を開催。学識経験者が事故防止などをテーマに講演後、保育研修の専門家が具体的な事故防止策を解説する予定。

 その後に秋以降、なずなの森保育園を含む希望する数園に保育研修の専門家を派遣する。専門家と保育士らに保育現場で問題点などを意見交換してもらい、事故防止マニュアルの見直しなど対策強化につなげる見通し。専門家の派遣は2025年度以降も続ける。

 久喜市が設けた有識者による事故の検証委員会は先月中旬に報告書をまとめ、市に対して研修会の開催や専門家の派遣などを提言している。