育児漫画や子育てエッセイはいつやめるべきか〈古泉智浩さんの子育て日記〉34
「漫画に描かれて傷ついた」に震撼
現在小学2年の養子・うーちゃんがうちに来たのは、今から8年前、生後5カ月の時です。あまりにうれしくて、フェイスブックに折々の出来事を書き記していました。この日々の記録と里親に至る道のりは、『うちの子になりなよ』として出版されました。
以降も、育児漫画やエッセイ、この子育て日記の連載…。子どもの成長や子どもとの生活は刺激に満ちていて、いくら描いても追いつかないほどです。ところが、自分も含めて育児漫画やエッセイを描いている人を震撼(しんかん)させる出来事がありました。
漫画家・西原理恵子さんの娘さんが、いかに自分が漫画に描かれて傷ついていたかをブログにつづり、お母さんを告発したのです。西原さんといえば豪快な作風ですが、『毎日かあさん』では子どもとの暮らしぶりを愉快に描いていらっしゃいました。楽しいご家庭で子どもは伸び伸びと育ち、親子仲良しだろうと勝手に想像していたため、非常にショックを受けました。特に「漫画で描かれたことで学校でいじめられた」とのことで、恐怖で震えています。
小学生になり、出番は減らしたが…
育児漫画の金字塔『ママはテンパリスト』の東村アキコさんは、猛烈に売れていたにもかかわらず、お子様の小学校入学と同時にバッサリと連載を終了しました。実は僕もそれに倣って、うーちゃんが小学校に入ると同時に出番を減らしてきてはいました。でも、やはり面白いことがあるとどうしても描きたくなり、つい描いてしまっています。
特に4歳の妹の里子のぽんこちゃんとの関わりでは、うーちゃんのことも描かざるを得ません。今のところ、特に嫌がっている様子はないのですが、これから先はどうなるか分からないので、本当にやめなければならないと強く思いました。
そんなうーちゃんは、自転車に乗る気が全くなかったので心配していましたが、最近、キックボードが欲しいと言いました。乗り物を欲しがるなど初めてのことです。早速買ってあげたら、すぐに転んでしまいました。
近くに住んでいるおじさんが手当てをしてくださり、足に包帯を巻いて帰ってきました。けっこう大きな擦り傷でした。これはとてもいいことで、大けがじゃないけがは、した方がいいと思います。僕もママも不在だったため、手当てしてくださったおじさんに、僕の母がお酒を持ってお礼に伺いました。温かい町で暮らしていることを実感しています。(漫画家)