両親がコロナ感染…子どもの世話は誰が? 赤江アナの訴えが話題 病院や施設で受け入れは可能か
「自宅療養しながら2歳の長女を世話している」
赤江さんは出演するTBSラジオを通じ手記を発表。2歳の長女はPCR検査で陰性判定されたが、赤江さんは陽性で15日に発症。自宅療養しながら長女の世話をしている、とした。
手記には「(3人家族の)わが家の場合は親が共倒れになった場合の子どもの面倒を誰がみるのかという問題があります」「共に陽性の場合、40度近い熱の上がり下がりの中で、オムツを換えたり、遊びまわりたい、まだ病気の事など理解できない子どもと同室で果たして療養できるのか」「夫と私の発症のピークがずれることを願うばかりです」とつづられている。
「子どもは濃厚接触者。祖父母も友人も頼れない」
赤江さんと同様の不安を抱える人は多い。
東京都文京区の共働きの会社員女性(44)は中3と小4の2人の息子がいる。「夫婦2人ともが発症すれば子どもは濃厚接触者。両親や友人には頼れない。同年代の子がいる友達は何とか子どもたちでしのげるようネットスーパーに登録した。うちは重症化しないように祈りながら家で生活するしかないかも」。
埼玉県行田市の5歳と10歳の双子の3人の子がいるアルバイト女性(49)は「子どもが陽性の場合は、そばで看病する。親が離れることで不安がるだろうし後々の心の傷が心配。両親入院になったら…。親戚や友人に預けたいけど難しい」と悩む。
厚労省「病院や児童相談所、児童養護施設で」
では、行政はこうした親が感染した場合の子どもの面倒を誰がみると考えているのか。厚生労働省が10日に出した事務連絡によれば、親族などの保護が難しい場合は、保健所や児童相談所が連携し、病院や児相での一時保護や児童養護施設での受け入れなど、地方自治体で対応を検討するよう要請している。
ただ、自治体側もまだ対応は手探り。東京都家庭支援課の吉川千賀子課長は「子どもの年齢や家庭の事情により違うので個別判断になる」と説明。軽症の場合は自宅療養で子どもの面倒を見るなどしており、親が入院の場合は、保健所と児相で相談し、医療機関に一時保護してもらったケースがすでに数件あるという。
しかし児童相談所の現場は「受け入れは難しい」
杉並児童相談所の坂井隆之所長は、これまでにひとり親または両親の入院で、乳幼児と小学生を子ども病棟に預けたケースが2、3件あったとする。「親と同じ病院が望ましいが病院によっては子どもの病棟がない所も。親子が離れた場合は児相から児童心理司の派遣も考えている」。その上で児相で預かるのは難しいと言う。「預かる子も濃厚接触者。別室があればいいが、ない施設もあるし、職員に余裕はない。虐待を受けた子には体の弱い子もいる」
国立成育医療研究センターの賀藤均病院長は「同じ家で生活する子どもは濃厚接触者で、検査結果が陰性でも偽陰性や再検査で陽性になる可能性が高い。親戚や知人に預けるのは注意が必要だ」と指摘。児相など施設での一時保護も「やってはならない。新型コロナは大人の方が重症化しやすく、万が一、児相の職員に感染すると施設全体が破綻しかねない」と話す。
その上で、地域の事情に合わせた行政による病院の役割分担が必要だとする。「うちのように難病の子が多いと受け入れに慎重にならざるを得ない病院もある。他の病気の治療も考え、行政が医療機関と話し合い、各病院の役割分担を明確にし、大人も子どもも受け入れられる態勢を整えることが必要だ」
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