性のことをいつ、何から伝える?「つぶやき作戦」がオススメです〈性教育ビギナーズ〉
いざ、性について子どもと話そうと思った時、何から、どう伝えたらいいかを迷う親も多いはず。性教育の基礎知識を分かりやすく伝える連載「性教育ビギナーズ」第2回は、前回に続き、埼玉大教授の田代美江子さんにアドバイスをもらいました。
「聞いてもいいんだな」と思える親子関係に、さりげなく
-前回は「親子で一緒に学ぶ姿勢が大切」というお話がありました。
親が構えて「教える」より、例えばテレビを一緒に見ていて、気になるジェンダー表現が出てきたら「どう思う?」とか、「学校で性教育やってるの?」と聞いてみる。子どもが「親に性について聞いてもいいんだな」と思えるような関係になるといいですよね。
「つぶやき作戦」も効果的だと思いますよ。親が気になった性の描き方などを「これ、おかしいよね」と言ってみる。「ネットはうそ情報が多いからね」とか。子どもが多様な価値観に触れるきっかけになる。性に関する本や漫画をさりげなく置くのも手です。
-他にどんな方法がありますか。
からだのことは基本なので、本を一緒に読み、親子で学ぶのもいいかもしれません。私たちのグループがまとめた絵本「あっ!そうなんだ!性と生」(エイデル研究所)もお薦め。本にもありますが、性器は自分だけが、見ても触っても良いところ。自分のからだを大事にする第一歩です。
中高生でも遅くありません。必要だと思った時が始めどき
-子どもが中高生でも遅くないですか。
性教育が必要だと思った時が始めどき。教える順番やハウツーはありません。大事なことは、子どもが必要な時に、安全で健康な情報や行動にアクセスできるようにすること。自分を守るための力を身に付けることですから。
日ごろから「なぜ、そうしたの?」「今どう思っているの?」と声をかけ、子どもが自分の考えや気持ちを言葉にする訓練をしておくことも重要ですね。それは、自分自身を知ることであり、そこには「からだを知る」ことも含まれます。性教育の基本です。