性教育は「セックスを教える」ことだけじゃない。いのちや人権を学び、幸せに生きるためのもの〈性教育ビギナーズ〉

(2020年5月19日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

 「テレビでエッチなシーンが出てくると気まずい」「どうも恋人ができたみたい」…。親としてどうしようと思うことって、ありますよね。子どもも、親に聞きたいけど、聞けないことがあるかもしれません。親子で「性」にどう向き合えばいいか、考えてみませんか。
 東京すくすくでは、専門家に性に関する素朴な疑問をぶつける連載「性教育ビギナーズ」を始めます。第1回は、中学校で性教育の授業もしている埼玉大教授の田代美江子さんに聞きました。
性教育について語る埼玉大教授の田代美江子さん

性教育について語る埼玉大教授の田代美江子さん

「コンドームを着ける」には人権への理解が必要

―正直、性教育って、とっつきにくい印象があります。

 そもそも、性教育をどうイメージしていますか?セックス(性交)を教えるものと思っていない?性教育はもっと広くて、人の生き方と関わるもの。自分のいのちやからだ、健康について知って、より良く生きるためのものです。

―性の話だけではないと?

 そう。性教育の中心には人間関係の学習があります。例えば、妊娠を避けるためにコンドームが必要だと知っていても、相手に嫌われるのではと不安になり、「着けて」と言えなかったりする。

 性感染症や意図しない妊娠を避けるためには、人としての権利、「人権」についての理解がまず必要ですね。自分の権利はもちろん、そこから相手の権利についても考えて生きるのって、日本人にとっては当たり前になっていない気がします。性教育はそこを学ぶ。人との関係を築き、幸せに生きるために不可欠です。

親もきちんと習っていない。だから一緒に学ぼう

―でも、親が教えるのは難しそうですよね。

 親もきちんと習っていない人が多いのだから、当然ですね。大人も一緒に学んでいく姿勢が大切です。

 子どもの問題状況から「性教育をやらなきゃ」と不安になる親が多いようだけれど、本来は「学ぶといいことがある!」ぐらいに積極的に取り組んでほしい。性の話をきっかけに親子関係が良くなることだってあると思いますよ。なぜ今、性について話したいか、ということからぜひ伝えてみて。

*東京新聞の紙面では火曜朝刊で隔週で掲載します。

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