弁当を茶色だらけにしないコツ おいしく見えるバランスと「赤・黄・緑」の使い方は?
小林由比 (2021年4月10日付 東京新聞朝刊に一部加筆)
新年度から、高校生が食べる弁当作りが始まります。喜ばれる肉系ばかりだと、茶色い弁当になってしまいそう…。生活クラブ東京・食のコンシェルジュの高橋香里さん(58)に、彩りよくするコツやおいしく見える詰め方を教わりました。
ご飯とおかずは1:1 隙間なく詰める
まず気をつけたいのは、開けた時にグチャグチャにならないようにすること。家族の弁当を30年以上作ってきた高橋さんは、「隙間なくピッタリ詰められるよう、食べる量に合った弁当箱を用意して」といいます。中身の形状などに応じ、四角、楕円(だえん)、2段式など、いくつか弁当箱があると便利です。
基本の詰め方は、ご飯とおかずを1:1に。おかずは、肉や魚のメイン1に対し、野菜など副菜2の割合にすると栄養バランスもよくなります。「隙間ができたら、プチトマトや1個ずつ使える冷凍のから揚げなどで埋めます」
味が混ざるの避けるための「乾物」
おかず同士で味が混ざるのは避けたいところ。おひたしにかつお節やごまなど乾物をまぶせば水分を吸収できます。「煮物に高野豆腐や麩(ふ)を入れると水分を外へ逃がさず保ってくれます」。酢の物はラップで茶巾のように包めば、味が移らず安心です。
これから夏に向けて、食材が傷まないようにさらに気をつけたいものです。前日に作ったおかずはもう一度火を通し、必ず冷ましてから入れます。「親子丼やカツ丼など卵を半熟にするような料理は夏場は向きません」。自然解凍で食べられる冷凍食品を一つ入れておくと、保冷剤の役割を果たしてくれます。
パプリカ、カレー粉、シソと青のり
手軽に色を足す方法も教わりました。赤は、パプリカをマリネ液に漬けておくとすぐ使えます。黄は、カレー粉を炒め物や揚げ物の衣に入れます。緑はシソをバラン(仕切り)にしたり、青のりをまぶしたりするといいそうです。
高橋さんは、おかずを「肉・魚」「卵系」「野菜」「箸休めになる豆や練り物など」の4品目に分け、組み合わせを変えて回しているそう。「何パターンか決めておくと、弁当作りがグッと楽になりますよ」