初めての生理 「10歳の誕生日」に家庭で準備できること 汚れたら?学校で来たら? お母さんの失敗談も伝えて
話がしづらいなら「節目」に合わせて
「娘が生理を迎える前に話しておかなければと思っているが、どんなことを、どのタイミングで伝えたらいいか」。小学4年の娘(10)を育てる東京都内の母親(43)は悩んでいる。
「生理の話をしづらければ、10歳の誕生日といった何かの節目に合わせるといいのでは」。こう提案するのは、夫で病理医のたかおさん(39)と医師ユニット「アクロストン」を組み、性教育の親子向けワークショップを開いている産業医のみさとさん(39)だ。
3点の「生理セット」をランドセルに
携帯用の「生理セット」=イラスト=を親子で一緒にそろえると、会話のきっかけになる。セットは生理用のショーツとナプキン、その2つを入れるポーチの3点。突然生理が始まる場合に備え、ランドセルなどに常時入れておくよう声かけしたい。
今はショーツやナプキンも色やデザインが多様だ。「お気に入りのものを選べば、安心して初潮を迎えられます」。みさとさんもたかおさんとともに、小学6年の長女の11歳の誕生日にセットを贈った。初めはナプキンをショーツのどの位置に付けたらよいか分からない子も多い。みさとさんは「一度一緒にショーツに付けて確認すると、親がいない学校などで生理がきても戸惑わない」と言う。
ナプキンの使い分けや交換の頻度は?
ナプキンは、昼用と、よりサイズの大きい夜用の2種類を準備し、時間帯による使い分けも伝えておきたい。ケアに不慣れな女の子には、ショーツをくるむ「羽付き」タイプがずれにくく、おすすめだ。
交換のタイミングは2~3時間に1度。泌尿器科での勤務経験もあるたかおさんによると、中には学校でなかなか取り替えることができず、かぶれて受診する子がいる。「休み時間も着替えや移動があると、落ち着いて交換できない。困っていないかを確認し、状況によっては学校側に相談できるとよいですね」
経血が多い日の体育や部活動、習い事などのスポーツ時にどうしたらよいか悩む子もいる。まず伝えたいのは、体を動かすことがつらい場合は見学してもいいこと。その上で「漏れが気になって思い切り動けないときは、経血を吸収する『吸水ショーツ』にナプキンを付けてはくと安心です」とみさとさん。経血が体の外に出ず、6~8時間替えずに使えるタンポンも、選択肢に入れるとよいという。
「困ったときは保健室」伝えておこう
衣服やシーツなどを汚すこともあるが、血液は湯で洗うと落ちにくいため、水を使うことも教えておこう。みさとさんは「初めは衣服を汚してしまうのが当たり前。『お母さんもこんな失敗したよ』と、ぜひ体験を話してあげて」と促す。気がかりなのは、学校で衣服を汚したり、ナプキンを忘れてしまった場合。「保健室に行けば、ナプキンも着替えも全部あるよ」と伝えておくと、いざというときに相談できる。
初経から2~3年は周期が不安定になりがちだ。周期を把握するため、手帳やアプリで生理開始日や体調を記録する習慣を付けるようアドバイスするといい。おなかの痛みなどがひどいときは、年齢に応じて服用できる市販の鎮痛剤を使い、飲んでも効かない場合は婦人科を受診する。
特に、ひとり親で子育てする父親の中には戸惑う人が多い。たかおさんは「話しにくいことがあれば、学校の養護の先生を頼って」と助言する。
コメント