隠れんぼ中の小学生が火災発見、父親と連携して人命救助
佐々木香理 (2021年12月24日付 東京新聞朝刊)
東京都立川市砂川町で11月に民家火災が発生した際、素早い連携プレーで住人を救ったとして、東京消防庁は22日、現場近くに住んでいる児童ら6人に消防総監感謝状を贈った。子どもたちは「驚いたけど人の命が助かって良かった」と笑顔を見せた。
立川の民家火災 東京消防庁が感謝状
表彰されたのは、いずれも小学4年で10歳の津田美咲(みさき)さん、佐藤つむぎさん、日光理空(りら)さん、藤田蒼依(あおい)さんの4人と、津田さんの兄で中学1年の翔太郎さん(13)、2人の父で川崎市消防局の消防司令康宏さん(40)。立川消防署で贈呈式があり、6人は清水洋文消防総監から感謝状を受け取った。
火災は11月29日午後4時すぎに発生。児童4人は公園で隠れんぼをしている最中、近くの2階建て住宅から白い煙が上がっているのに気付いた。公園から最も近い津田さんの自宅に4人で走り、火災を家族に伝えた。
父親は消防勤務 普段から伝えていた
翔太郎さんと康宏さんは消火器を持って現場へ向かい、翔太郎さんがスマートフォンで119番し「逃げ遅れた人がいる」と状況を伝えた。康宏さんは煙の中、家の中に入っていき、2階でうずくまっていた住人の70代女性を救助した。火災は2時間後に鎮火したが2階の一部が焼け、女性はのどにやけどを負うなどした。
「煙を見たときは怖かった」と振り返るのは最初に煙に気付いた佐藤さん。すぐに学校での避難訓練を思い出し、落ち着いて動けたという。美咲さんは父の仕事柄、普段から消防の仕事について家族で話していると言い「火事に巻き込まれた人が助かってとてもうれしい」。康宏さんも「今後も普段から防災や防火の話をしていきたい」と話した。